図書館とパン作り⑧
ソウを引っ張って連れ出したダンは街の中心に向かって歩いていく。
その後ろを付いていくソウたが少し路地に入ったところでダンに問いかける。
「いったい何処に向かってるんですか?」
「急に連れ出して悪いな…サナの夢を叶えたいと思ったら体が勝手に動いちまった…」
そう言ってダンさん少し自分達の事を教えてくれた。
ダンさんとサナさんはタギアツとは別の街で出会っており元々サナさんはいつか王都に店を出せるような料理人になりたくて修業にでており料理屋で働いていた。
ダンさんはたまたま立ち寄った料理屋でサナさんに一目惚れして猛アタックして最初は引かれたらしいが何とかお友達程度にはなれたらしい。
ダンさんはCランクの冒険者で犬の獣人の特性による鼻で索敵を行ない戦闘では脚力を使い敵を翻弄するような地球で言ったら忍者のような冒険者で依頼の後にサナさんの店に惜しげも無く通っては口説いておりサナさんも少しずつ会話してくれるようになった。
サナさんは王都で料理屋を開いてダンさんは王都でも評判の冒険者になってサナさんの店に通い詰めるなどの話をして2人は距離を縮めていた。
だけどダンさんは依頼で大怪我を負ってしまい何とか一命は取り留めたけど脚だけは後遺症が残ってしまった。
元々冒険者しかやってこなかったからもう冒険者を続けられないので田舎の両親の所で畑仕事でもしようとしたがちょうどタギアツの宿屋をしていた叔父が人手を探していたのでタギアツで宿屋を手伝うことにした。
タギアツに言ったらサナさんに会うことが出来なくなるが最後にサナさんの料理を食べて何も告げずに離れようとしたらサナさんにそんな悲しそうな顔して飯を食うやつがいるかって怒られたそうだ。
ダンさんは泣きながらサナさんに自分はもう冒険者としてやっていけないしサナさんの隣に立ってることが出来ない。叔父さんの宿屋でサナさんの活躍を人づてに聞いて応援するよと言ったらサナさんはダンさんの胸を叩きながらこう言ったそうだ。
「アタシがアンタに料理を教えてやる。上手く出来るようになるまで毎日こき使いながら教えてやるからアタシも連れてけ!」
気づけばサナさんも泣いており2人して酷い顔過ぎていつしか笑いあっていた。
本当は受付などはダンさんがやってサナさんに料理をさせたいが脚が傷んで早く動けないので料理を必死に覚えてサナさんの夢の王都の料理屋には出来ないけど王都にも名前が出るような凄い宿屋にしてそこの料理は王都の料理にも引けを取らないと評判になるようにしたいと頑張ってきたが料理を食べに来るのは辺境の冒険者ばかりで王都の人間は辺境には来ないだけどあのパンがあれば1度は王都の人間も食べにくる。
「そうすればサナの料理を王都の人間にも広めることが出来るんだ!」
そう言ってダンさんはソウの肩を掴んでもう一度頭を下げる。
「だからどうしてもあのパンを作れるようにしてやりたい。俺に出来ることなら何でも協力するから頼むソウ力を貸してくれ!」
「分かりました!絶対に成功させま……」
ソウが全部を言うよりも早く扉が開き怒声と水を浴びせられる。
「人の店の入口で騒ぐな!うっとおしい!」
そう言って出てきたのは白髭のドワーフでその姿を見たダンさんが言う。
「ギランの爺さん客に対してそれはないぜ」
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