図書館とパン作り④
「何とか迷わず着いたな」
図書館の前に着いたソウはそう言うと建物を見上げる。
建物の中央には本の隣に砂時計と金貨が描かれたレリーフがあるのを見ながらソウは中へと進んでいく。
受付には受付嬢とその前に武装した警備兵が1人立っておりソウが近づくと受付嬢が話し掛けてきた。
「こんにちは、身分証の提示をお願いします」
ソウがギルドカードを渡すと警備兵がそれを受け取り受付嬢に渡す。
受付嬢は受け取ったカードを眺め何かの魔道具に通した後、カードを警備兵に渡してソウに戻ったのを確認してから話始める。
「初めてのご利用になりますので図書館の説明させて頂きますね」
ソウは受け取ったカードを仕舞いながら疑問に思ったことを尋ねる。
「お願いします。ちなみにさっきのカードを通したのは何ですか?」
「あれは魔核の情報を読み取りカードの偽造を調べるのと犯罪歴や図書館への立ち入りや違反回数などを調べる魔道具になります。」
(なるほど、この魔道具があるから冒険者が街を移動しても大丈夫なんだな)
ソウはそんなことを考えていたが受付嬢は表情を変えずそのまま説明を続ける。
「図書館の入館には保証金として銀貨5枚を預けて頂きます。何も問題を起こさなければ帰る際に銀貨4枚を返却しますが問題を起こせば更なる追加徴収もございます。また図書館では騒ぎを起こさない、本を傷付けない等のルールがありこれに違反した場合は最悪立ち入り禁止になります。」
ソウは地球での図書館の利用方法が出来るのか確認する。
「本を借りたりは写したりは出来るんですか?」
受付嬢の表情が一瞬変わったが何事も無かったようにソウの質問に答えます。
「本を貸すことは致しません。本を写すには図書館スタッフに頼む場合は銀貨3枚で承ってます。冒険者への依頼も可能ですが金額は安くても字が読めない等のトラブルあるのでご注意下さい。何か質問が無ければこれで終わりになります」
受付嬢の説明が終わりソウは銀貨を出すと警備兵がそれを受け取り受付嬢に渡す。
「確かにお預かり致します。それではこちらをお付けください。退出の際にご返却下さい」
そう言って受付嬢から首から下げる紐がついたカードを受け取った。
カードを首から下げて図書館に入るとソウは驚嘆の声を上げた。
中はとても広く本を読む為の机とテーブルが規則正しく並べられており壁1面に本棚には本が埋まっている。
2階部分には1人用のソファが置いてありそこでくつろぎながら本を読んでる人が数人居た。
それはソウの想像を超えておりそれだけの本が本棚に入っている姿は圧巻だった。
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ちょっと短いです……