ランク試験①
ソウはラルグに連れられてま受付場所まで案内された。
受付には褐色の肌に白い髪の綺麗な女性が座っている。
「リアナ、この子の受付をお願いします」
そう言われた女性はラルグをチラリと横目で見ると表情を変えずに返答する。
「あら、あなたが素材以外を受付まで運んでくるなんて珍しいわね」
そう言ってソウの方を見ると微笑み掛けてから話しかけてくれる。
「こんにちは、ギルドの登録には名前、年齢、戦闘スタイルなどが必要だけど文字は掛ける?」
「文字は掛けるけど間違ってたは教えてください」
そう言いながらソウはペンを持ち名前と年齢を書いていく。
(年齢はとりあえず15歳にしておくか…鑑定されてバレたりするのかな?戦闘スタイルはとりあえず魔法剣士か?)
書き終わったソウはそのまま用紙を受付の女性に渡す。
受付の女性はソウが書いた紙を受け取り一通り見ると木で出来たハンコのようなモノを紙に押してソウに話かけてくる。
「記入事項に特に問題はないのでギルドカードを発行します。ギルドとギルドカードの説明は必要ですか?」
「あっ、お願いします」
ソウはギルドの説明は良く聞いておくべきだと思い応える。
「それでは説明させて頂きます。」
説明はこうだった。
冒険者ギルドは登録した冒険者の管理はするが保障などはない。
いわゆる自己責任の職場となる。
またメリットとしては街によってはギルドお抱えの武器屋や防具屋が宿屋ありそちらで多少値引きをして貰える。
そしてCランクになれば街や国の行ききでの税金が免除されるようになる。
またモンスターからの素材をギルドは常に一定の価格で買取してくれる。
これは価格の変動が多い素材でも一定であり全国に支部があるギルドだから出来るとのことだ。
逆に希少価値の高い素材はそのまま街の商人に卸しても良いがトラブル等は自己責任となる。
ちなみに素材の解体をギルドに依頼することも出来るが解体手数料は取られる。
しかし希少素材や解体が難しい素材を自分達で行いダメにすることもあるので需要はそれなりにある。
ギルドカードには更新手続きがあり年に一度の更新が必要となり更新をせずに3年経過するとギルドカードが失効となる。
また3年間で2度期日までの更新費用の未納でも失効になる。
また更新には費用が掛かりランクによって多少変化するらしいが一人前のCランクになると依頼金額からの積立で年間で金貨1枚分が必要になるらしい。
積立が金貨1枚に届かないモノはその差額によって金額が変わるが全く依頼を受けてないモノは金貨5枚を払う必要がある。
これは街を行き来できるようになった冒険者が依頼をせずにいるのを防止したり貴族の箔付での所持に対する対策とのことだ。
(確かに税金を取られずに街を移動して商売したりなどされたら商人が文句を言うだろな…貴族に関しては持ってるだけで年間50万掛かるのを持って箔付を行うのか?)
ランクはF~S となっていてSランクは人外の化け物レベルとなるそうでSランクは各国に1人居るかどうかの狭き門らしい。
ちなみにハンマール王国にもSランクは1人居るらしい。
最下級ランクのFランクは街中で済む依頼を専門に受ける者達が殆どであり成り立て冒険者のランクであり正攻法では最低でも依頼を10回は達成しなければ外での依頼を受けれるEランクには慣れないらしい。
最短でFからEに上がるにはギルド試験官との戦闘で技術に問題がないと認められたらランクアップ可能とのことだ。
これはギルドカードを失効したモノへの救済措置的な意味でもあるらしい。
(大抵カードを失効するモノは素行不良が殆どで街での依頼で住民と揉めるより外に出て魔物なり素材なりを入手しろってことらしい)
依頼はボードに貼られている用紙を受付に持っていきランクや条件の確認をされ受領が完了となる。
報酬金額は諸々の諸経費や積立金が引かれた表示になっており達成したら表示額がそのまま報酬となる。
また依頼の失敗や規定日数を過ぎた場合は20%の違約金が発生する。
依頼のランクはFランク以外は自分のランクの一つ上まで受けられる。
また自分のランクの2つ下までとなる。
CランクならEまでとなるこれは新人冒険者の保護の役割もある。
ランクアップに関しては基本的にはそのランク
に規定回数の依頼を達成した時にランクアップが告げられる。
FからDまではランクアップの際に試験は無いがDよりに上がる際には試験が必要になる。
Aに上がる際には面接まであるらしい。
パーティを組んだ場合はメンバーの平均ランクがランクとなる。
仮にAが1だとしてそこから下に数字が下がるとした場合、B、C、D、Dのメンバーでランクを組むと2+3+4+4=13となり13÷4=3.25となり小数点は四捨五入となりCランクとなる。
この世界も十進法での計算となりあるギルド職員であればある程度の計算は出来るみたいだ。
パーティ場合はランクより2段階上のランクまで依頼を受けることが可能だがランクより下の依頼は受けられなくなる。
ギルドカードには特殊に加工した魔核が施されており偽造や譲渡は出来なくなっているらしい。
なので他の国や支部でもギルドカードはそのまま使用可能となりランクもそのままとなる。
ギルドカードをもし無くした場合は再発行に金貨1枚が必要となる。
依頼には指名依頼などもあり貴族の依頼などを断っても問題は無いが揉め事になってもギルドは深くは守れない。
(これは断るなら断っても問題にならない実力を付けるか後ろ盾がないといけないってことか…)
また冒険者同士での揉め事に関しては仕事の依頼での揉め事以外はギルドは関知しない。
「以上で説明は終了となります。ご質問はございますか?」
「大丈夫です」
ソウは説明を聞き終えて軽く伸びをして応えた。
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