街へ⑤
視界を戻したソウは考える。
(とりあえず人間の住む街ではあったが人族至上主義って感じではなかったからあの街に入っても大丈夫そうだな…あとは街に入るのに必要なモノで通行証はないからお金を用意しなくちゃいけないが当然持ってないし…オルトロスの毛皮とかで何とかならないかな…)
街に入るに場所は4ヶ所あったが全て門番らしき兵士が立っており倒して入るのは得策ではない。
当然この世界に来たばかりのソウにこの世界の通貨などもないし川の水に映った姿で確認したが年齢も16歳くらいの子供になっている。
「はー問題は山積みだけどまずは街に入らないとな」
ソウは一先ずオルトロスの毛皮と牙などを影の収納から出す。
「影の収納からだして目立ったりしたら嫌だからな…後はこの素材を少し使って鞄を作れれば良いんだけど」
ソウはとりあえず1番簡単そうな丸型のショルダーバックの作成を考えた。
(創造魔法で初めて創るが素材は大丈夫か?バックの大元は毛皮で縫い合わせはオルトロス髭で何とかなるか…)
「うん、何とかなりそうだな!今後はこういう時の為に色々と素材の入手もしといた方がいいな」
ソウはそう言いながら魔法を発動する為に集中した。
結果としてソウの創造魔法は上手く発動した。
「出来たぞ!魔法の創造と違って思ったほど魔力も減らなかったな」
「今回は素材も希少なモノでもないし素材も揃っていたからでしょうね」
「素材のレア度でも変わってくるのか?」
ソウはルビーからの情報を知らなかったので聞き直した。
「希少な素材ほど魔力抵抗が高くなるから加工に
掛かる魔力が高くなるのともし素材が足りなかった場合それを魔力で補おうとしても魔力消費が激しくなるわね」
「素材が足りなくても創れるのか?」
「それが創ろうとしているモノの中核を担うモノでなければね。今回なら糸の代わりにした髭が無くても創れたでしょうけどそれだと今のソウの魔力の半分位は持ってかれたでしょうね」
「うわ…糸創るので半分かよ…何でも魔法で創造出来るのは漫画だけか」
「当たり前でしょ。何でも魔法で創造出来たら主様達だって………」
「……そうだよな。ごめん少し考え無しだった」
ルビーの言葉にソウはルビー悲しみを知って自分の発言で思い出させてしまったことを後悔した。
しばらくの沈黙の後、
「……まぁ今の魔力で半分だからもっと魔核を集めて魔力量を増やせばいいのよ。頑張りなさい!」
「おう!まずは街の中に入れるように頑張るぜ」
そう言ってソウは街への街道へ向かって歩きだした。
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