↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きな人を友人に紹介しました  作者: 天満月 六花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/400

初めて


 彼……ユーヴェン・グランドと私、ローリー・ガールドは学園時代からの同級生で友人だ。彼は金の髪にはしばみ色の瞳、顔は整っているが人懐ひとなつっこい性格でクラスの人気者だった。

 同じ委員になったのがきっかけでいつの間にかよく話すようになった。王宮志望だったのも私と同じで、希望部署は違ったけれど、だからこそよくはげまし合ったりもした。

 彼とはいい友人関係で、気負きおわなくていいのが楽だった。冗談を言い合って笑い合う、それが楽しかった。

 その関係は王宮に就職してからも続いて、互いの部署の愚痴ぐちを言ったり他愛のない話をしたり変わらない関係が心地良かった。


 だからこそ、気づかなかった。


 ***


 無事王宮へ就職して一年。仕事にも慣れてきた頃だった。


「なぁ、さっきの人って……先輩?」


 少しほうけたような顔で私にそう言い出したのは金の髪と榛色の目を持つ学園時代からの友人、ユーヴェン・グランドだ。


 ユーヴェンが私を呼び止めた時に一緒にいた同僚どうりょうのことを聞いているのだとすぐに思い当たる。

 彼女はとても美しく大人っぽい。同い年だとは思わなかったのだろうな、と思いながら笑って返した。


「同僚なの。同い年よ」


 ユーヴェンが女性に興味を持ったことは珍しい。少しからかってやろうと更に言葉を重ねる。


「あの子があんまり綺麗で大人っぽいから驚いた?」


 そう問い掛けると彼は呆けたような顔から一瞬で真っ赤になった。

 さらには。


「そ、そうだよ悪いか!」


 言い当てられたのが恥ずかしいのだろう、どもりながらも誤魔化さない。正直な性格なのだ、ユーヴェンは。


「へえー、そっかあ」


 私はにんまりと笑った顔をして、いいおもちゃを見つけたわ、とつぶいた。それに対しユーヴェンはなんだよおもちゃって、と赤い顔でこうぎしている。


 なんだろう、少しいつもと違う。

 こういった話題は面白いはずなのに……なんだろう、どこか気分が晴れない。


 でもそうだ、いい機会だ。ユーヴェンには彼女のみ台になってもらおう。

 踏み台として考えたことに罪悪感でもあるのかな、そう思いながらにやりと笑ってみせる。


「見返り次第では協力してあげてもいいわよ」


 そう言うと、キラキラと期待に満ちた目で私を勢いよく見た。


「本当か!?」


 うん、悪い気はしない。やっぱり気のせいね。


 その安堵あんどと共に見返り次第ね、と返した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。