表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きな人を友人に紹介しました  作者: 天満月 六花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/392

初対面


「ユーヴェン、待たせたわね」


 喫茶店に入って、すでに来ていたユーヴェンに声をかけると勢いよく立ち上がった。その勢いで椅子が揺れている。


「い、いや全然!ぜんっぜん、待ってませりゅ、ません!」


 わあ、こっちもこっちで問題があった。

 少し遠い目をして、カチコチに緊張しているユーヴェンの両肩を抑える。


「ユーヴェン、落ち着きなさい。じゃないと紹介はなしよ」


 ギッと睨むように見ると、ユーヴェンはヒュッと喉を鳴らした。たぶん私が本気なことを悟ったのだろう。


「わ、わかった。お、落ち着くから少しだけ待って、くれ」


 頭を手で押さえて何度か深呼吸をしている。

 待つと言ってももう既にカリナもスカーレットもいるのだが。

 すると、くすくすと笑い声が聞こえた。


「カリナ、スカーレット、奥に座って」


 そう声を掛け、私はユーヴェンの隣に座る。ユーヴェンの真向かいがカリナだ。ユーヴェンの緊張しいのお陰かカリナも気が抜けたのだろう、さっきから笑顔が見える。

 これなら大丈夫そうだ。


 ユーヴェンは笑顔のカリナを口を開けたまま見ている。……スカーレットの鋭い眼光には気づいていないようだ。

 仕方なく腕を叩く。頭をはたきたいが座ったままだと届かない。


「ユーヴェンも座りなさい」


 声を掛けるとユーヴェンははっとしてそそくさと席に座った。

 全く、カリナに見惚れ過ぎである。笑顔のカリナが可愛いのは同意するが……。


 ひとまず全員席に座ったところで店員さんを呼ぶ。人数分の紅茶を頼むと、まずは全員の紹介をしようと口を開く。


「さて、じゃあまずは紹介ね。彼がユーヴェン・グランド。騎士団で事務をしているわ。だからスカーレットは会ったことあるわよね?」


「ええ」


 さっきより幾分か目付きを和らげたスカーレットが答える。ユーヴェンはその眼差しを何事もなかったように受けて笑った。


「俺もキャリーさんの事は知ってるよ。あんまり話した事はないんだけど」


 一呼吸して落ち着いたのだろう、緊張がだいぶ取れている。


「まあ、そうね」


 スカーレットは鋭い眼差しをものともしないユーヴェンに少し気が抜けたのか、ユーヴェンの言葉に息を吐きながら同意した。


「なら改めて。ユーヴェン・グランドです。今日はよろしくお願いします」


 カリナ、スカーレットを見て、それぞれに頭を下げる。


「私も改めて、スカーレット・キャリーよ。よろしくお願いするわ」


 スカーレットはひとつ息を吐いて、自分も名乗る。敬語じゃないのはユーヴェンを警戒しているから舐められないようにだろう。そんな事は知らないユーヴェンは……知っていても変わらない気がするが……相変わらず笑っている。

 カリナもぺこりと頭を下げた所で、私はカリナを紹介する。


「それで彼女がカリナ・メーベル。私と同じ魔道具部署の事務をしてるわ」


「初めまして。カリナ・メーベルです。こちらこそよろしくお願いします」


 そう言って少し緊張したように、ぎこちなく笑みを浮かべた。さっきは笑っていたが、今になって緊張がぶり返してきたのだろう。私も心配になってきてしまう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 続きが気になります!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ