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なぜか俺だけモテない異世界転生記。  作者: 一ノ瀬 遊
第二部、聖剣編
75/205

75、洗脳





アルト達と合流して、個室のあるレストランに入った。

そして、並ばれた料理を食べ終えて一息ついた所で会議を始めた。


「これから会議を始めるけどいいか...?」


「うん。いいよ...。

コウ君がそんな顔するなんて、なんか大変な事でもあったの?」


「あぁ...。アルト...。心して聞いてくれ。」

俺の真剣な顔に皆、緊張が走る。

「う、うん。」

俺は深呼吸をしてコロシアムで起きたことを語った。


「そ、そんな...ヘンリー兄さんが...」


「あぁ...。余程強い洗脳だと思う。

アルト。洗脳を解く魔法は覚えてるか?」


「強力な洗脳を解く魔法...明日には完成すると思う。決勝には僕も行くよ。」


「頼む。俺にはその魔法は使えないから、アルトだけが頼みだ。」


「うん。僕が王宮に住んでたとき嫌な事があったけど、一応血の繋がった兄弟だからね...。」


アルトは複雑な顔をしているが、その目には決意を固めた力強さが備わっていた。


「アルト様!ワタシも手伝うわ!!」


「私も何かできれば手伝いたい!!」


リアとラテは意気込んでいる。

「ありがとう。リアは明日も魔法取得のために図書館について来てほしい。ラテさんはヴォイスさんと共にコロシアムに行って様子をリアに教えて欲しい。」


「「分かった!!」」


2人の息のあった返事を聞いて、


「コウ君は大丈夫そう?」


「あぁ。順当に行けば明日ボロックと戦うと思う。」

「ボロックと...」

「それでなんだけど、ボロックをパーティにスカウトしたいと思ってるんだけどアルトはどうだ?」

「ボロックを?僕は大賛成だけど...何で?」


「ボロックの戦いを見てたらかなり強いタンクなんだよね。ボロックの防御力があればアルト達がもっと戦いやすくなると思うんだ。」


「彼が騎士団を止めてくれるかどうかだけどね...。」


「確かに。でもそれは大丈夫だと思う。

ボロックは今の騎士団の体制に疑問を持ってたからな。そこは俺が話し合って口説き落とすよ!なぜか男にはモテるからな...。」


ヴォイスは必死に笑いを堪えている。

絶対なんか知っているな...

この件が片付いたら問い詰めてみるか。


「そうだね。ボロックの件はコウ君に任せるよ。」


「分かった。明日も頑張ろう。」


俺達は会議を終わらせて、各々ホテルの部屋に入った。



その頃王宮の王の間では、


「ヘンリー!!おい!!ヘンリーはどこ行った!!ここに連れてこい!」


国王のオーガイが怒鳴り散らかしている。

部下たちはあまりの怒号に萎縮している。

その中に大臣が冷や汗をかきながら、


「オーガイ様。ヘンリー様のお部屋には近衛騎士が塞いでいて入れないのです...。」


「なんだと!王の命令で連れてこい!!」


「それが、何言っても動かなくて...」


「もういい!我が行く!!」

オーガイは痺れを切らしてヘンリーの部屋に向かう。

その後ろからは王様の護衛達が付いていく。

ヘンリーの部屋の前には近衛騎士が数人張っている。

「近衛騎士ども!!そこをどけ!!」

オーガイの怒号混じりの命令も近衛騎士達には届いていない。

「なんだこいつらは...余が見えてないのか?

耳は付いてないのか?それともただ舐めているのか?」

オーガイはプルプルと怒りが爆発しそうになっている。

すると、ヘンリー王子の部屋のドアが開いた。


「おやおや...これはオーガイ王どういたしました?」


そこに現れたのは近衛騎士のカマエルだった。

カマエルはニヤニヤしながらオーガイの前に立つ。

「き、貴様!一介の兵士の分際でなんだその態度は!」


オーガイは今にも斬りかかりそうになるほど身を乗り出してキレていた。


「精神の乱れは隙を生むのですよ。」


「な、何を言って...」


パチンと指をならす。

するとオーガイと後ろの護衛達の目に生気が消えた。

範囲精神操作レンジマインドコントロール。やはりこの魔法は苦手だ。

アイツだったらもっと広い範囲で出来るんだろうな...。

チッ!嫌なこと思い出してしまった。

後2日後に来るしな...。

まぁ、これで聖剣も手に入るしこの王国も手に入るから、主様にも満足してもらえるだろう。

後はコウ・タカサキを無傷で主様の元に連れて行くだけだな...。

さてどうするか...?

あっ!

お前たちはいつも通りに動け!」


「「はっ!カマエル様!」」


オーガイやその護衛達もカマエルに洗脳されてしまった。

そして、それぞれ持ち場に戻っていく。

それを見てカマエルはヘンリーの居る部屋に戻っていく。

ヘンリーにはもっと強力な洗脳の魔法と身体を奪うためにカマエルの魔力を流し馴染ませていたのだった。





王宮でそんなことが起きているのとは、違うとある場所での事、


(やっと現れたね...)


(うん...やっと現れたね。本当に待ちくたびれたね...。)


(本当に待ちくたびれたね。早く会いたいね...。)


(本当に早く会いたいね...。後2日後だって。

もう少し待とう...。)


(うん。待とう...。楽しみだね。)


(楽しみ...。いっぱいかまってもらおう。)


(うん。いっぱいかまってもらおう。)



謎の会話は誰にも聞かれることなく一室に響いた。





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