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なぜか俺だけモテない異世界転生記。  作者: 一ノ瀬 遊
第三部、スノーフリーデン編
118/205

118、救援。


「一閃乱舞。」


「グアァァァ!!き、貴様。」


ウリエルは俺からの一方的な攻撃を受けボロボロになっていた。

ウリエル(こんな奴)に剣聖奥義を使うまでもない。


「畜生...。畜生がぁぁぁ!!」


「お前はもう終わりだよ。」


「終わらない。終わらせてたまるか!!

僕は選ばれた存在だぞ!!」


「そんなん知るか。」


俺が一歩、また一歩ウリエルに近づく。

すると、ウリエルが後退りしはじめた。


「どうした?怖いのか?」


ウリエルの顔が恐怖で歪む。


「僕はこんなところで死ねない。そ、そうだ...。」


ウリエルは何かを思い付いたかのように、帝国軍のいる方に逃げ出した。


「合流させるかよ!!」


俺は合流させまいとウリエルを追う。


「くそ...。この傷じゃ追い付かれてしまう...。

闇霧(ブラックカーテン)。」


ウリエルは闇魔法を使い暗闇と同化した。

気配察知でも感知できない...。


「また面倒な事を...。」


(お兄さんどうするの?)

(逃げられちゃうの...。)


心配するアスタとリスク。


大丈夫だ...。

辺り一帯吹き飛ばす。


(でも、魔法は...。)(吸収されるの...。)


あぁ...。わかっている。

魔法は使わない。俺には師匠から教わった剣聖奥義がある。こんな相手に使いたくはなかったが仕方がない...。

俺は二本の剣の柄と柄を合わせて高速回転させた。


「剣聖奥義...。第四の剣。

....大竜巻(トルネード)。」


俺の聖剣からでかい竜巻が発生して木々や隠れていたモンスター達を切り裂いていった。

その中に吹っ飛ばされるウリエルの姿があった。

ウリエルはそのまま帝国軍の最前線まで吹っ飛んだ。


「やべ...。気合い入れすぎてしまった...。

早く後を追わないと。」


俺はウリエルの後を追った。




「ぐはっ!!...一体何が起こったんだ?ひとまず回復せねば...。」


吹っ飛ばされたウリエルが目にしたものは帝国軍だった。

ウリエルはニヤリと口角が上がる。


「やはり俺は選ばれた者だ...。」


ウリエルはフラフラと立ち上がり、帝国兵を次々と大鎌で惨殺していった。


「全回復するのにまだまだ喰い足りない...。

僕の為にもっとお前らの命をよこせぇぇ!!」


ウリエルが帝国兵を殺している中、エジル達が最前列に着いた。


「誰か帝国兵と戦っている?あの風貌はコウさんではないし...。誰だ?」


「あ、あれは...。父さん!僕の父さんだ!生きててくれた!そして、助けに来てくれたんだ!」


ネモが泣きながら言う。


「ネモ。ちょっと待て...。

あれはオルガで間違いはないが、様子がおかしい...。」


ブレイブはオルガから異様な気配を感じていた。


「父さんだ!!父さ~ん!!」


ネモはオルガの元に走っていく。


「ネモ!!ちょっと待て!!」


ブレイブがネモの後を追い走る。


「やっと半分くらいか...。まだ喰い足りない...。コイツらの生命力はゴミだな...。

......ん?」


ウリエルが後ろから自分をめがけて走ってくる子供を認識した。


「ガキが何で戦場に?まあ、いいか...。生命力には変わりはない。」


ウリエルが大鎌を構える。


「と、父さん...?僕だよ...。ネモだよ!わからないの!?」


「しらねーな。死ね。」


ウリエルの大鎌がネモを襲う。

そこにブレイブが割って入ってきて大鎌を腕で受け止めた。


「オルガ!!お前自分の子に何をしているんだ!?」


「オルガ~?あぁ~。この身体の持ち主か。

ヤツならもうすぐ死ぬよ。何故なら俺が乗っ取っている最中だからな。

ってこんな話をしている場合じゃない。

お前らの生命力も俺によこせ!!」


「何を言って...。ってこの私の力が吸われている?これはヤバイ...。

ネモ!!一旦引け!!お前では相手にならない!!」


「嫌だよ...。父さん!!帰ってきてよ!!」


「ネモ!!頼むから言うことを聞いてくれ!!」


「嫌だ...。父さん!!父さぁぁん!!」


泣きじゃくってその場を離れないネモ。

ブレイブも力を吸われて動けないで居た。


私がヤツの大鎌を離せば、確実にネモは死ぬ。

それは出来ない...。

誰か...。誰か居ないのか...。

勇気ある者よ...。誰か...。




「シールドバッシュ!!」



ドゴォォン!!



「ギリギリ間に合ったか...。

大丈夫か?」


「お、お前達は一体...?」


「私の名前はボロック。

私たちはコウ殿のパーティーメンバーだ。」


「僕は違うけどね~!専属鍛冶士なだけだし。って言うか今のテレポートで魔力がスッカラカンだし、3日も寝てないから街で寝てくるね~。」


「ソーマさん。ありがとう。」

「さすが!ソーマ兄ちゃん!」

アルトとリアが言う。


「後は任したよ~。

終わったら起こしに来てね~。」


ソーマはフラッと街の方に消えていった。


「さてと...。状況は大体聞いています。

ここからは僕たちも加勢します!」


「かたじけない。ってそこに居るのはクラレント!クラレントじゃないか!!なぜここに...。」


「ブレイブ叔父様。お久しぶりです。

ここに居るのはこの殿方アルト様と契約したからですわ。」


「そうか...。賢者が現れたか...。

でも、今は私たち聖剣の出る幕ではないのかもしれない...。」


「どういう事ですか?」


「今戦っていたのは、勇者オルガだが彼は何者かに乗っ取られている。

その者が持つ大鎌あれは私の力を吸っていたのだ...。

おそらく魔法の類いもヤツは吸収するだろう...。

そんな奴にどう戦えば...。」


「それなら私が戦おう。

私は聖剣持ちでもないし、魔法力も少ないただの騎士だ。」


「ボロック...。大丈夫だよね...?」


「アルト様。私は大丈夫でございます。

アルト様はアルト様の役目を果たしてください。」


「わかった。僕は後方で洗脳を解く魔法を詠唱する。頼んだぞ。ブレイブさん。それとネモ組んだっけ?邪魔になるから後方に一旦下がるよ。」


ブレイブはアルトの言葉に頷きネモに近づく。


「ネモ。一旦下がるぞ。」


「嫌だ。父さんと一緒に...。」


「すまん。ネモ。」


ブレイブはネモの首筋に手刀を食らわせ気絶させ、そのまま担いでアルト達と後方に下がっていった。



「痛ってえなぁぁ。何処のどいつだ?この僕に攻撃を食らわせたのは?」


コキコキッ。


ウリエルは首を鳴らしながらボロックの方を歩いてくる。


「お前を攻撃したのは私だ。」


「誰だ?お前?」


「お前に名乗る名などない。」


「そうかよっっ!!」


ウリエルはボロックに大鎌を振り下ろした。



その頃、ウリエルを追っていたコウは黒幕であろう女と対峙していた。

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