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第三話:ニアの街

 「とうちゃーく」

 あっという間だった。合法ろりエルフがすごい勢いで空中を飛んですぐに、俺たちは城壁に囲まれた街の門の前に着陸した。死ぬかと思った。


 「ぐへっ、ぐへ」

 「なんじゃー、だらしないの~」

 俺が恐怖飛行体験のせいでせき込んでいると、幼女エルフは豪快に背中をたたいてくる。本当に痛い。


 門の前には10人くらい人が並んでいて、門番がひとりひとり止めて何かをチェックしている。なんだろうか?

 

 「あれ、なにしてんの?」

 「あれはな、街の中に犯罪者が入らないように、魔道具を使ってチェックしておるのじゃ」

 「魔道具?」

 「そうじゃ。あの魔道具を使って人を鑑定すると、その人が犯罪者かどうかわかるのじゃ」

 そういって、幼女エルフは門番が持っている水晶のような魔道具?を指さす。


 「へー、あれで犯罪者がどうかわかるんだ」

 「そうじゃ、手をかざしてあの魔道具が赤色に点滅したら犯罪者じゃ」

 「ふーん」


 そうこうしている間に、俺たちの番がやってきた。


 「よし、次……て、幼女エルフじゃないかよ。」

 魔道具を持っている門番が幼女エルフのことを幼女エルフと言っている。俺が幼女エルフを見て思ったことはこちらの人も思ったらしい。


 「ほ~う。いうようになったのこわっぱ。いつの間にかおぬしの家が街から消えても文句は言うんじゃないぞ。世の中には不思議なことがあるもんじゃからの。ふぉふぉふぉ」

 「「こえ~わっ」」

 

 幼女エルフのあながち冗談とも思えない言葉に俺はぶるぶると震えてしまった。門番もどうやら同じような症状がでているようだ。

 幼女エルフの顔見知りな門番が震えるのだから、家を消す手段があるのだろうか。

 

 「それで、タマさんとそっちの兄ちゃん?」

 「ああ、ヒロセとでもよんでくれ。門番の……」

 「ああ、俺は門番のモバーンだ」

 門番のおじさんから名前を聞かれたので、名字で答えておく。これでいいだろう。それよりも幼女エルフはタマという名前なのかかわいいな。


 「よし、タマさんとヒロセ。順番にこの魔道具に手をかざしてくれ」

 「ふむ」

 幼女エルフ改めタマが魔道具に手をかざすが何も起こらない。

 何かやってそうだけど、そうでもないようだ。


 それけら俺も手をかざす。

 

 「よし、二人とも問題ないようだな。通ってよし」


 ◇

 

 ≪ピロリーん。ニアの街にやってきた≫

 ほう、ここはニアの街というのか。


 「おお~」

 興味深く周囲を見回す。

 

 ちょっと見ただけでも現代の日本とは違う。ファンタジーっぽさがある。

 通りに並んでいる建物はどれもファンタジーっぽいつくりをしている。

  

 それに、タマみたいな耳がとんがったエルフもいれば、猫や犬などの獣人系やトカゲみたいなのもいる。 

 

 俺はやっぱり剣と魔法の世界に来てしまったようだ。何分か、ぽけーとしていたら、タマが後ろから俺の肩をたたいてきた。


 「違う世界に来たんじゃ。ぽけーとしてしまう気持ちもわかるが、これからどうするのじゃ?」


 「これから?」

 そういえばそうだ。一応財布は持っているけど日本の通貨やカードが使えるわけでない。つまり、俺は一文無しということになる。早急に金が必要だ。

 

 「そうじゃ、お主はまれびと じゃからの~。金はないじゃろ? 生きていくためにも稼がないとじゃ。冒険者なんて、どうじゃ? けっこう誰でもなれるぞ。わしも冒険者じゃしの。まあ、わしぐらいの魔法使いになると、月に何回か仕事するだけでぼろもうけじゃよ。ぐへへへへ」


 「冒険者はなんかブラックぽいからいやだな。俺の紙ステータスじゃ、ゴブリンに小突かれただけで死にそうだ」


 働きすぎて死にそうだったのに、ゴブリンに小突かれて死ぬのはごめんだ。スキルの鑑定、リペア、それにアイテムボックスを使って金儲けでもできないかな?


 そうだ!!


 「なあ、タマ。この辺でものを売っている市場みたいなところないか?」


 「市場なら、あっちじゃぞ。連れて行ってやろう」

 


 俺とタマは市場に向けて歩き出した。

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