第二十三話:ヒロセ、パワーレベリングする2
「ヒロセ、ゴブリンがいましたですわー」
ピクニック気分で歩いているとシアが、街道脇に広がる草原を指さしてそっと言った。
「げっ、ゴブリンか。あ~~~、本当にいるな」
シアの指した方向ではゴブリンが無防備な形で突っ立っていた。あの時はこっちが強襲を受けたけど、こんどはこっちが襲い掛かってやるぞ。
「ヒロセ、石ですわ。石を拾ってあの醜悪なゴブリンにあてるのですわー」
相手のゴブリンはまだこちらのことに気が付いていない。シアはゴブリンに聞こえないように小さな声で指示を出してきた。
よし。いし、いし、いし。
俺は地面に転がっていたちょっと大きめの石を拾って、ゴブリンめがけて投石する。
ヒューん。石は一直線にゴブリンに向かって飛んで行った。
「ギギャ~~~」
ゴブリンめがけて投石した石ころはみごとに体に当たったようだ。ちょっと痛がっているけど、効いている感じではない。
さすがに俺の紙ステータスで投げた石ではダメージは通らないようだ。
でも、
「よし、当たったですわー。あとはわたくしにお任せですわー」
こっちに気づいたゴブリンに向かってシアは突撃していく。頼もしい限りだ。
「ギギヤー、っぎゃ? ギャー~~~」
そして、いとも簡単にシアはゴブリンを倒してしまった。
ゴブリンに近づく→クワを振り下ろす→ゴブリンあの世という感じで、ゴブリンはなんの抵抗もできずにあの世に行ってしまった。
ゴブリンに合掌。
≪ピロリーん。ゴブリンを討伐した。ヒロセに30の経験値が入ります≫
おっ、経験値が入ったみたいだぞ。
≪ピロリーん。ゴブリンを討伐した。ヒロセのレベルが2にあがります。てんてれー≫
「やったぞーシア。レベルが2になったぞ」
「やったですわ。それでどれくらい魔力は上がったですの?」
「分かった。確かめてみるぞ。ステータス・オープン」
≪ピロリーん。スタータスがオープンします≫
いつものように画面をのぞき込んでみる。
【名 前】 広瀬康介
【年 齢】 30
【職 業】 大家
【レベル】 2
【体 力】 11
【魔 力】 1000
【攻撃力】 6
【耐久力】 6
【素早さ】 6
【スキル】 鑑定Lv3、リペアLv3、リノベーション2、異世界召喚セット
「…………」
うれしいやら、かなしいやらで俺はちょっとフリーズしてしまった。神様のバカヤロ~~~~~~~~~。
「ヒロセ、どうだったんですの?」
「え~~~とだな。。魔力はみごとに1000になった」
「え~~~~~~~。本当ですの? ゴブリン一匹倒しただけで? そんなに?」
「ああ、本当だ。ちなみにレベルは1しか上がってないぞ」
「それはすごいですわ。わたくしは今までそんなにすごい勢いで魔力が上がった人初めて見ますわー。魔法を覚えたら超絶魔法使いになれますわー」
「いや……、それがだな」
「すごいですわー。もっとレベル上げて最終的にはめざせ世界最強魔法使いですわー」
「いや」
「夢が広がりますわー」
「……、ほかのステータスは1しかあがらなかったけどな」
「えっ? ほかのステータスが1しか? えっ? ですの?」
「ああ」
ゴブリンの死体の横で俺とシアはちょっぴり気まずい雰囲気になっていまった。
◇
あのあと結局はシアが「マンション特化ですわ。リノベーション特化ですわ」と言い出して、ゴブリンを殺やりまくった。
俺は石ころを当ててただけなんだけど、シアがすごい勢いでゴブリンを殺りまくった。
ゴブリン見つける→俺投石する→シア、ゴブリン殺る。
ゴブリン見つける→俺投石する→シア、ゴブリン殺る。
ゴブリン見つける→俺投石する→シア、ゴブリン殺る。
…………。
……。
…。
以下略だ。
それはもー、土を耕す勢いで殺りまくった。
魔族は土だけでなく魔物も耕せるんだなー。
≪ピロリーん。ゴブリンを殺しまくった。ヒロセのレベルが10にあがります。てんてれー≫
これでしばらくは魔力不足に悩むことはなさそうだな。
あー、疲れた。。
◇
【名 前】 広瀬康介
【年 齢】 30
【職 業】 大家
【レベル】 10
【体 力】 19
【魔 力】 5000
【攻撃力】 14
【耐久力】 14
【素早さ】 14
【スキル】 鑑定Lv3、リペアLv3、リノベーション2、異世界召喚セット




