第十五話:幼女エルフ再び
いつものように俺がアパートの庭で日光浴をしていると、
「ひさしぶりじゃな、ヒロセ。ふぉっふぉっふぉっ」
どこで聞きつけてきたのか、幼女エルフのタマがアパートの庭に空から舞い降りてきた。相変わらずのローブ姿だったので、相変わらず白い〇ンツが丸見えだったことは置いておこう。
「着り~~~く」
タマは庭に着陸した。着陸した時の風の勢いでローブがめくりあがり、〇ンツがもろに見えてしまった。俺は瞬間的に目をそらした。
「見たのか?」
「何を?」
「わしのパ〇ツを見たのかと聞いておる」
タマはまったく恥じらいなく聞いてくる。やはり、こんなことでもう恥ずかしい年齢では……。
「ジロリ。おぬしよっぽど死にたいらしいの」
「こわい、こわい。いつもタマは過激だな」
「フンっ」
タマは鼻息を荒くして怒っている。やはり、この話題は危険だ。話をそらさなくては。
「それより、よく俺の住んでいる場所が分かったな?」
「そんなことわしぐらいの魔法使いになれば簡単に分かる。なに、お主と別れたときに魔法のマーカーをつけておいたのじゃ。それをちょっと追いかけれやれば、会いたいときに会いたい人間にあえるというわけじゃ。便利じゃろ」
「確かに便利だが、ストーカーにとってはのどから手を出しても欲しい魔法だな」
「こんな高等な魔法はなかなか使えぬ。そこまで魔法を極めた人間がストーカーになるとは考えたくないのじゃ」
「ま、いいか。で、タマは何の用で来たんだ」
そんな便利な魔法が使えて今まで来なかったのだから、何か用事があるのだろうと思い聞いてみた。
「要件がないと来てはならぬのか?」
タマはぱっちりしたお目目で俺を見上げながら、そう問いかけてきた。何やら、かわいいと思うのは俺だけだろうか?
「いや、そんなことはないが……」
俺がドギマギしながら答えると、
「ファッファッファファ、なにドギマギしておる。お主、ロリコンの気があるのか?」
「だんじてロリコンではない。それにタマは・・」
いや、これ以上はやめておこう。
「それで、要件はなんだ。そんな魔法が使えて今まで来なかったんだ、何か今日は要件があってきたんだろう」
「むー、つまらんのう。もう少し遊べると思ったのじゃが。まあいいわ。今日はお主に頼みがあってきたのじゃ。実はな、知り合いのドラゴンに巣の修理がしたいと言われての。あのドラゴンかなり図体が大きいから、普通に工事をしたらいつまでかかるか分からん。それで、何かいい方法がないかと考えてたら、お主のことを思い出したというわけじゃ」
ん? 何かやばい生物の巣を直してくれと聞こえた気がするけど。
「つまり?」
「お主のあの時見せたリペアというスキルでドラゴンの巣を直してほしいのじゃ」
言ってた、ドラゴンと言ってた。この幼女エルフ、すごい魔法使いには違いないんだろうけど、まさかドラゴンと付き合いがあるとは。
「一つ聞くが、ドラゴンというのはあれか、ドラゴンという名前の犬とかではないよな?」
「違うの。あのうろこに覆われていて、巨大で翼があって、火を噴く超強力的な生物であるドラゴンじゃ。あ、そういえばおぬしは異世界から来たまれびと、じゃったの。ドラゴンは初耳か?」
「知っているけど、俺はタマじゃないんだから、ドラゴンに会ったらいちころだぞ」
「だいじょーぶじゃ。あのドラゴンは温厚じゃからな。確か、最後に人間を食ったのは、100年以上も昔のはずじゃぞ」
「……、断れませんかね?」
「つべこべ言ってないで、いくぞー。それっ」
「あ~~~~~~」
俺は心の準備ができないまま、タマの魔法で空に飛びあがってしまった。
そして、
「レッツゴーじゃ」
ドラゴンの巣に向かって空を行くのであった。
スラちゃんとちみっこ妖精は遊びに出ていたので巻き込まれないで済みました。