チート・オブ・チートなエルミリー
(告白してくれたってことは、きっとこうなるに違いないわ!
以下、妄想。
『なあ、エルミリー。となると次のことを考えなきゃなんねえ』
『次のことってなぁに?』
『……い、言わせるなよ』
『え……。もしかして……』
『……式だよ。式をどうするかってことだ』
『式!? だ、だめよ! そういうのは順番があるでしょ!』
『ああ、そうだったな。悪かったよ。じゃあ、これを……』
――サッ!
『ほえっ!? この箱ってもしかして……』
『開けてみてくれ』
――パカッ。キランッ。
『指輪!』
『受け取ってくれるかい? 俺の気持ち』
『マルコ!』
『エルミリー!!』
にゃふふふふふ!! 完全無欠な私にふさわしい、完全無欠なハッピーエンドだわ!
よ、よぉし! マルコ! いいわよ! いつでもかかってきて!)
エルミリーのやつ、鼻息が荒いのはなぜだ?
やっぱり怒ってるのか。俺が遠征から離れて武器工房を持つことを……。
でもそうすることが世界の平和に役立つなら、ここで引くわけにはいかねえ。
よし! ではしっかり話すか!
「なあ、エルミリー。となると次のことを考えなきゃなんねえ」
「ぶーーーーっ!」
「ど、どうしたいきなり水を吹きだして!?」
(ま、ま、まさか妄想どおりの切り出しをしてくるなんて、想定外だわ! いや、想定内とも言えるわね。お、お、落ち着くのよ、私!)
「な、な、なんでもないわ。と、ところで次ってなによ?」
「え、いや、うん。……式だよ。式をどうするかってことだ。ルベルガー将軍がどうしてもって言うからさ」
「ぶぶーーーーっ!」
「のわっ!!」
(ウソよ! いや、ウソじゃないわ! これが現実なの! でもここまで妄想どおりに話が進むなんて思ってもいなかったわ! はっ! そういうことね! スーパーエルミリーの力に目覚めた私は、妄想が現実になるというチート・オブ・チートの能力を身に付けたってことね! そうなれば話は早いわ。次は確か……)
「式!? だ、だめよ! そういうのは順番があるでしょ!」
「ああ、そうだったな。悪かったよ。じゃあ、これを……」
――サッ!
(きたあああああ! 箱きたあああああ!! ……でも、ちょっと大きい箱ね。いや、きっと大きな愛がつまってるから箱も大きくなったんだわ! なぁんてね! 小粋な演出なんてしちゃってぇ! にくいねぇ、このぉ!)
「ほえっ!? この箱ってもしかして……」
「開けてみてくれ」
(ついにここまできたわ。今思い返せばカラ回りしてばかりだったけど、それも二人が強い愛で結ばれるための障壁だってことね。
ああ、パパ。ママ。お姉ちゃん。
エルミリーは幸せになりますっ!)
――パカッ。キランッ。
「…………は?」
「…………ん?」
「…………は?」
「…………ん?」
「…………は?」
「…………ん?」
「はああああああ!?」
「な、なんだよ!? おまえさんにはコレが必要だろ!?」
「必要よ! 必要だけど!!」
「だったら受け取ってくれよ。………『砥ぎ石』を。俺と離れている間は、自分で武器をメンテナンスするしかねえからな」
「はああああああ!?」




