やっぱりこの世界は愛と筋肉でできてるんだわ
「おにいちゃぁぁぁん!」
「シャローラ!!」
――ガシッ!!
「おにちゃん! 無事でよかったよぉ! ほんと心配したんだから! ふええええん!」
「シャローラ、泣くな。……そして、一つ謝んなくちゃいけないんだ」
「ふえ?」
「シャローラのお母さんの畑……。キラーボアに踏みにじられてしまったんだ。だから……。これしか花が残ってなかった」
――サッ。
「ごめんな」
――ブルブル
「ううん。いいの。また新しいお花を育てればいいから。それに……」
「それに?」
「これはおにいちゃんにあげるために育ててたの! だから一本でも残ってて嬉しいの!」
「シャローラ!」
「おにいちゃん!」
――チュッ!
「これからは俺がシャローラを守る! だから一緒に畑をたがやそう!」
「うん! おにいちゃん!」
(だあああああ! シャローラちゃん、よかったわねぇ!
二人が互いを想う気持ちが奇跡を起こしたってことね。
やっぱりこの世界は愛と筋肉でできてるんだわ!
……でも、あれよね。
幼女のシャローラちゃんと少年のマーティスくんが結ばれたのに、美女の私とおっさんのマルコがまだ結ばれないなんて、どう考えてもおかしいわよね。
この差はなんなんだろう……。
……はっ! そうか! そういうことかぁぁ!!
以下、妄想。
『待ちなさい! イノシシども!! そこはマルコの大切な武器工房よ! 踏みにじることは私が許さないんだから!』
『エルミリー! こっちへくるな! 危険すぎる!!』
『いえ、マルコ。私はあなたの大切なものを守りたいの!』
『グルル!!』
『あ、イノシシめ! マルコの工房を壊したな! もう許さない!! マルコ! 背中を貸して!』
『おうよ!』
――すりすり
『きたああああ!! 今、私はスーパーエルミリーに変化した! うりゃああああ!!』
――ドカーーーン!
『ギャオオ!!』
『アイル・ビー・バック』
――タタタッ。ガシッ!
『ほえ? マルコ!?』
『大丈夫か? けがはないか?』
『私は大丈夫……。でもマルコの大切な武器工房が……』
『武器工房なんてもう一度建てなおせばいいんだ。俺の愛する人が傷ついたら、取り返しがつかないからな』
『え? マルコ……。それって……』
――サッ。
『こいつだけはどうしても手渡したくてな。工房から取ってきたんだ』
『これは……。指輪……』
『わりいなぁ。武器じゃなくてよ。でも俺の気持ちなんだ。受け取ってくれるかい?』
『マルコ!』
『エルミリー!!』
妄想、終わり。
にゃふふふふ!! マルコ! それは武器よ。愛の武器なのよぉぉ!
よぉし! これだ!
そうと決まれば、まずはあれね!
マルコの武器工房を作らなきゃ!!)




