表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/31

ニンニクと筋肉を結びつけた者を呪う


――カン! カン! カン! 


――カン! カン! カン!


――カン! カン! カン!


 クリスタル・ボアキングを撃退してから、もう一週間か。

 なんだか昨日のことのように感じられるが、それもこうして忙しいからかもしれねえな。

 

「マルコ! ぼけっとしてる暇ないわよ! あと3週間で70本も武器を作らなきゃいけないんだから!」

「ああ、分かってるよ」


――カン! カン! カン!


 激闘の後だが、ルベルガー将軍が率いる第一騎士団の遠征は予定通りに行われるそうだ。

 だからあと3週間で全員分の武器をそろえなきゃなんねえ。

 幸いなことにイロハが手伝ってくれているから作業ははかどってはいるが、ここのところ疲れ過ぎて食堂にすら顔をだせてねえんだ。

 エルミリーもクリスタル・ボアキングの撃退の功績を称えられて王都ですごしてるっていうし、忙しいけどなんだか物足りない毎日って感じだ。

 

「マルコ!! だからぼけっとしないで!」

「お、おう!」


………

……


 3週間後――。

 

――カラン。カラン。


「あら、マルコじゃない! ひさしぶり!」

「やあ、おかみさん。悪かったな。ぜんぜん顔だせてなくて」

「いいのよぉ。それよりも順調?」

「ああ、おかげさまで100本の武器をきっちり仕上げてきたぜ」


――バシィッ!


「いてっ!」

「違うわよぉ。もう、とぼけちゃってぇ。イロハちゃんとの『新婚』生活よぉ」

「はあぁぁ!? どうしてそんなことになってんだよ!?」

「あれ? 違うのぉ? だってイロハちゃん自身が


『朝から晩までずっと一緒にマルちゃんと過ごせて、とっても幸せなの! 私たち家族だから! あはは!』


ってみんなに自慢してるものだから、おばさんてっきり二人は結婚したかと思っちゃったのよぉ」


 あのやろぉ……!

 変なことをみんなに吹き込みやがってぇ。

 

「あ、マルコおじさん!!」

「げっ! アリエッタ」


――タタタタッ! ガシッ! むにゅぅぅぅ。


「ちょっ! だから抱きつくのはやめろって!」

「いいのよ、マルコおじさん! ウチは愛人でもいいの! だからせめてここにいる時はウチだけを見て!」

「だから、そういうのはなぁ……」


――カラン。カラン。


「あら、いらっしゃい。エルミリーちゃん」

「げっ! 今度はエルミリーか! まずい! アリエッタ離れてくれ!」

「ええー! いやだぁー!」


(ちらっ。ぷいっ)


――ツカツカツカ。ドシン。


「おかみさん、いつものやつね」

「はいよ! 肉野菜炒めの肉マシマシ、ご飯超特盛りだねぇ」


 あれ?

 なんかずいぶんとそっけないないな。

 

「ねえ、マルコおじさぁん。今度ウチとふたりっきりで旅行にいこうよぉ」

「わりぃ。ちょっとあっちへ行っててくれ」

「ええー! むむぅ。いいもん! マルコおじさんなんてだいっきらい!」


――ツカツカツカ


「な、なあ?」


(ちらっ)


「なに?」

「と、隣いいか?」

「なんで?」

「なんでって……。ほら、久しぶりだしな。積もる話もあるっていうか……」

「ごめんなさい。疲れてるから一人でゆっくり食べたいの」

「え、あ、ああ、そうかい。そうだよな。おまえさんは今や国の英雄だもんな。俺なんかが気軽に話しかけられる相手じゃねえんだよな。すまなかったよ」


――とぼとぼ。





(…………ちがうの。ちがうのよ、マルコ!

今日に限って『ニンニク&きんにく祭り』にいってきちゃったのよぉぉぉぉ。

ああ、もう最悪! なんでよりによって今日なのよ!

私だってね、いろんなお話したいのよ。

でも口を開けば強烈なニンニクの臭いがするし、話題は筋肉のことばっかりになっちゃうし!

絶対に嫌われちゃうに決まってるもの!

そもそもなんで筋肉のお祭りにニンニクがついてくるのよ!

そりゃあ、ニンニクのフォルムと光沢は大臀筋……つまりお尻の筋肉に通ずるところがあるかもしれない。

でも共通点はそれだけじゃない!

それなのに食欲の炎をたきつけるニンニク料理の屋台がずらりと並んでるんだもん!

ついつい食べたくなっちゃうのが、乙女心ってものでしょ!?

だから私は悪くない。

悪いのはニンニクと筋肉を結びつけた悪魔みたいな運営者よ!

だからマルコ! 勘違いしないで!

本当はあなたといーーーっぱいおしゃべりしたいのよぉ!! うええええん!!)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ