プロローグ…なるもの。
はじめまして!仲川カラスと申します!✌初作品なので、緊張してますが、どうか暖かい目で見守って下さい。今回はプロローグということで、そんなに文章量は多くないと思います。さらっと読んでいただけら恐縮です。気長に気ままに書くつもりです。では、よろしくお願いします~。
プロローグ…なるもの。
床に広がりつつある血にひきずられるように、だらりと腕を下ろす。
ー終わった…ようやく…俺は自由になれたんだ。……自由になったはずなんだ。
眼下には数分前まで自分の全て、延いてはこの国の全てを掌握していた男が、死体となって転がっている。
ーあれ程栄華を誇った男の最後も、所詮、こんなものか。
明日は我が身と昔から言う。俺も気を付けるべきか。いや、今の俺に明日なんてあるかどうか分からないが。未だ流れ続ける男の血に浸るかつての幕布を見て、ふっ、と思わず自嘲する。布には俺達、ランフォルン一族のエンブレムであるドラゴンが刺繍されている。背後の王座は脚が折れ、窓ガラスは粉々に砕け、シャンデリアが床に落ちて辺りは薄暗い。今夜殺された男はこの広間で何度もパーティーを開いたものだが、今、そんな絢爛豪華な面影はこの部屋の何処にも無い。呪われた一族最後の夜。この光景にはそんな言葉がふさわしい…。そして、残されたのはただ一人の王と…。
俺は階段を降りるべく広間を出た。
ーあれから何年経っただろう?……いや、何十年経ったのだろう? 床にこぼれた水に映る自分は、21歳の姿ままだった。カラン……カラン…カラン。剣のひきずる音が虚しく響く。割れた窓から覗く満月が黄金色に見えて…
ー美しいな。
脳裏にある女の顔が浮かぶ。同じ時代を生きた友。女王として君臨した彼女も今や…。ハっとする。全く…。自分に笑った。完全に死亡フラグだ。まだ、死ぬ訳にはいかない。俺にはなすべき事が残っている。これから最後の大事な友と会うのだから。
もし、あの時、俺が殺した男に命を救われなければー…。もし、選ばれたのが別人なら………、ニートは王にならなかったのに。
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2★★★年、車が普通に空を飛ぶ時代になっていた。俺こと西原カケル、当時21歳ニート歴2年。都内の大学に進学したものの、5月病になり2ヵ月でなんとなく退学。その後田舎とも都会とも言えぬ地元に帰り、一週間程牛丼屋でアルバイトをしていたが馬が合わず辞めた。それからは親のすねをかじりまくって生きていた。そんなクズロードまっしぐらな俺は、あの日、大人気アニメ「You are cute騎士!!」(略してキュティナイ!)の店舗限定フィギュアと、ps28を買うために久し振りに外に出ていた。ちなみに「キュテナイ!」とは、主人公である元気はつらつなノノちゃん、おっとり系ルリちゃん、クール系ユウカちゃん、独自の不思議ワールドを持つムーアちゃん達美少女で構成されている魔物討伐騎士団が、古くから国を支配していた悪魔・魔物集団をやっつけるべく旅をし、闘い、何故かダンスを習い、歌い、コンクールにも出場しちゃって他の出場者に恋したり、(恋愛回は多数の男性ファンによる公式Twitter炎上事件が発生した。)それから数話にわたり本来の魔物討伐回があり軌道修正したように思われたが、突然コメディアンになったり、時にはケンカしサスペンスやホラー的な展開があったり等、要は何でもありなアニメなのだ。俺のイチオシはもちろんクール系ユウカちゃんである。魔物を目の前にしているのにあの余裕の塩対応がたまらない。騎士団内でちょっとしたバトルが勃発しているところで間が悪く悪魔の親玉がやってきた回では、(ユウカちゃんは元々仲間のバトルを傍観していたのだが)他の騎士があわてふためく中、空気の読めない敵に「……クズなんですか?」と一言。そして飲んでいた熱々紅茶をかけ、悪魔を溶かすという事件が起こった。これはユウカちゃんオシ達の間で神回と呼ばれている。キュテナイについてはまだまだ語る事が沢山あるが、本編から外れてしまうので、次の機会にしよう。
さて、キュテナイの曲を聞きながらps28とユウカちゃん限定フィギュアの為に長蛇の列に並び、ようやく限定フィギュアにお目にかかれたところで…。
革命は起きた。世界のあらゆるところで。
いかがでしたか?(と、聞くのも厚かましいくらい(^_^;))楽しんで頂けたら恐縮です。また、話の向上のため皆さんからのご意見も募集しています。次回はどんどん話が進んでいく予定です。ではでは~✋