エリザベス 土星へ
エリザベス号は、土星の近くまでワープをした。ちょうど10分間の休憩時間となり、時田は、隣で作業をしている橋本と、近くの休憩室で話をした。橋本は、50代前半の男で独身だ。
橋本「時田さんは、どこの派遣会社なん?」
時田「はい、自分はワーク・ファクトリーです。」
橋本「ああ、ワークか。時給はいくらなん?わしは、テクノ・スタッフで時給は12000。」
時田「え?テクノは12000なんですか?ワークは時給10000です。」
橋本「そうなん?それは安いなあ。やっぱり、派遣会社によって違うんだなあ。」
時田「みたいですね。」
橋本と話をしていると、エリザベス号のではなく、変な艦内放送が流れた。
パラリラパラリラ~♪
「エリザベスでチョコ作ってんじゃねえよ!!人生働いたら負けだぜ!!」
橋本「暴走族UFOみたいだな。」
時田「え?UFOの暴走族がいるんですか?」
橋本「もうすぐ、土星の環の中の宇宙ステーションに着くからなあ、そこの住人の若い奴らが、暇潰しにUFOで暴走してるんだ。」
時田「暴走族って、どこにでもいるんですね。」
艦長・ペリー「エリザベス・タックルジュンビ!!」
ユキナ「艦長、暴走族相手にエリザベス・タックルをしなくても・・・・。」
艦長・未来「ダマレ、コノオオバカオンナ!!エリザベスハ、ナメラレタラオワリナンダヨ!!ハイ、タックル!!」
エリザベス号は、1列に並んだ暴走族UFOに体当たりをした。
「うわああああ!!」
エリザベス号は、次々と暴走族UFOを破壊した。
艦長・ペリー「ザマアミヤガレ!!」
橋本「またエリザベス・タックルをしやがった。すぐペリー(あいつ)はタックルをしやがる。」
時田「林さんて人、大変ですね、いつも怒られて。」
橋本「わしやったら、もう辞めとるぞ、あんな言い方されたら、腹立つやろ。」
時田「確かに。」
休憩時間が終り、時田と橋本はチョコレート作りに戻った。エリザベスは土星の環の中にある、葉巻状の超巨大UFOの中に入って行った。
今度は、エリザベス号の艦内放送が流れた。
艦長・ペリー「コレカラハツカカン、チョコレートヲタイリョウニセイゾウスルタメ、コノドセイノウチュウステーションニタイザイスル。ココカラサキハ、チキュウニカエレナクナルノデ、ココデシゴトヲヤメテチキュウニカエルカ、サラニサキニススミ、シゴトヲツヅケルカ、ジックリカンガエテホシイ。ハツカカンノアイダデ、コタエヲゲンバセキニンシャニツタエルヨウニ。イジョウ。」
時田「何言ってるか分からないよ。」
もう一度、艦内放送が流れた。
ユキナ「たぶん皆さん、今のよく聞きとれなかったと思うんで、もう一度言います。これから20日間、大量にチョコレートを製造するため、この土星の宇宙ステーションに滞在します。ここから先は、地球に帰れなくなるんで、ここで仕事を辞めて地球に帰るか、仕事をこのまま続けるかじっくり考えて下さい。決まったら、現場責任者の方に報告して下さい。以上です。」
艦長・ペリー「コノバカオンナ!!ヨケイナコトヲシヤガッテ!!」
ユキナ「キャアアアア!!艦長、止めてください!!キャアアアア!!」
ここで、艦内放送が終わった。
時田(おいおい。ユキナさん、叫んでたみたいだけど、大丈夫か?それにしても、仕事も簡単だし、今のところ人間関係も良好だ。それに、地球に帰っても仕事はないし、この先の世界をもっと見てみたい。でも、不安といえば不安だな、艦長が狂ってるからなあ。)
チョコレートをかき混ぜながら、隣の橋本が話しかけてきた。
橋本「時田さんは、どうするん?」
時田「そうですね、地球に帰っても仕事はないし。でも、この先、何があるか分からないからなあ。まだ日があるんで、もう少し考えてみます。」
橋本「そうよなあ、確かに地球に帰っても仕事がないしなあ。わしなんか特に、この歳やしなあ。」
エリザベス号は、宇宙ステーションの中のヤオイ港に着地した。




