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誤解

「あれ?リラさん?」

エレナは慌ててベッドから起き上がった。


リラは珍しく無表情でエレナに近づく。


「リラさん?」

きょとん、とするエレナをベタベタと触り、確認した。


「おい、触るなーー」

「ああ、なんてことなの!私のエレナが!」

リラは大げさなポーズをとった。


エレナは首を傾げた。

(え、なんの話?)


「あなたみたいなケダモノに食べられちゃうなんて!」

むぎゅっとエレナを抱きしめた。

「ああ、もう。こんなに噛み跡も付けられちゃって...」

リラはエレナの首筋をゆるゆると撫でる。


(...そっか、リラさんて男...)

思わぬリラの熱い胸板に、エレナは体が硬直した。

「...あら?」

リラはエレナの反応に驚く。

「やだ、私のことも男として意識しちゃったのね?ーーふぅん、これはこれでなかなか。」

リラは顎に手をやった。


「何がなかなかだ。お前は!」

フィルディアはエレナを引き寄せた。

「私とエレナは友達だもの。良いわよ、ねぇ?」

エレナは思わずコクリとうなづいた。



「ーーお客様のお帰りだ。」

フィルディアは外で待機する使用人に声をかけた。

エレナはしぶしぶ帰って行った。


「エレナ、」

フィルディアの威圧感がジンジン伝わってかさた。


「は、はい...」

エレナが恐る恐る見上げると、フィルディアは眉を顰めた。


「ーーそんな顔をするな。...目に毒だ。」

エレナは驚いた。

(目に毒...?見るも耐えない顔ってこと...?)


エレナは何か適当に用事を作ると、屋敷を飛び出した。



(....そういえば、昨日も...)

エレナは昨日フィルディアに抱かれたのが暗闇の中だったことを思い出した。


(わ、私の顔が醜くて近くで見たくなかった...?)

エレナは道端で打ちひしがれていた。




「...あいつ...」

そんなエレナを見つめる影があった。




一時間後に次話投稿予定

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