平穏な日々
一話目のみだいぶ短いです。
王国のとある領地。
国の外れに位置する土地。
王宮から少しばかり離れたその土地に、エレナという平凡な女性とその父が暮らしていた。
エレナは朝から使用人と共に働いていた。
洗濯、掃除、裁縫のどれもが好きで、エレナの毎日は充実していた。
家には使用人がおり、生活には困らなかったが、仕事に忙しい父はほとんど家におらず、寂しい毎日を過ごしていた。
それでもエレナはそんな毎日が嫌ではなかった。
父は自分の仕事に誇りを持っており、そんな父のことが好きだったからだ。
昔はエレナも父と同じ仕事につきたいと思っていたが、父は自分の仕事について語ることは一切なかった。
だかはエレナは父が、王宮で働いている、ということしか知らなかった。
そもそも女性が仕事につくことはほとんどなく、成人を迎える頃には嫁に出ることが普通だった。
エレナの家はいくらかの土地を持っていたが、貴族の中では裕福な方ではなかった。
それもあって、エレナは結婚にあまり夢をみていなかった。
あわよくば、このまま家で楽しく働いて過ごしたいと思っていた。
エレナはそんな風に、平凡ながら幸せな毎日を過ごしていた。
拙いところがあると思いますが、よろしくお願いします。