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小説の向こう側  作者: 咲羅木優紀
8/10

テスト

 放課後。

 季節は秋。学校では二学期後半。

 期末テストの時期がやってきた。校舎内はテストの焦りが見えてくる。テスト前は部活が全部停止になり、そそくさと帰り勉強する人が多くなる。私はいつも通り文芸部の部室に、と行きたいところだが今日はどこも開いていないので家に帰る。文芸部室の前を通ると、中から話し声が聞こえる。誰かいるのかと思い、ドアを開けた。

 「失礼しまーす・・・」

 中には、園さん、木村さん、柳瀬先輩、如月先輩といつものメンバーがいた。

 「あれー? 明日?? 探したのにー! 帰ったんじゃなかったの??」

 「え・・・? というか、みなさんはここで何してるんですか? 今日からしばらく部活は無いですよ?」

 「あー! 部長が、テスト期間どうせ暇だから皆で放課後は勉強しようって!」

 「暇って・・・」

 「明日もどう? 一緒に勉強しない?? 部長、明日もいいですよね!」

 すると、部長が別室から顔を出して言った。

 「全然いいわよー! 断る理由がないものー!!」

 「それじゃあ・・・お言葉に甘えて・・・」

 そう言って、私は部室の中に入った。

 「それじゃあ明日ちゃんも入ったことだし、席替えしよっか!」

 柳瀬先輩が言った。

 「どうせなら、ペアで勉強しよ!! 1年と2年でペア組もう! 私は3年だから、皆を監視しつつ勉強する! これで行こう!!」

 「あの・・・柳瀬先輩。何で私はいつも如月先輩とペアなんですか?」

 私がそう聞くと、柳瀬先輩は私の耳元で呟いた。

 「明日ちゃん、如月のこと好きなんでしょ?? こういうときは、話せる機会作らないと! あと、二人ともなんだかんだ言って、仲良いでしょ! きっと、如月も明日ちゃんのこと気になってるって!」

「は、はぁ・・・。すみません、如月先輩。嫌だったら、私に言ってください! 私、鈍感なので・・・」

 私がそう言うと

 「何言ってるんですか。宮里さんにはいつも楽しませてもらってますよ。それじゃあ、勉強始めましょうか」

 私は如月先輩の優しい言葉に顔を真っ赤にしてしまった。私は動揺を隠せないまま、ぎこちない歩きで机に向かった。

 

 勉強を始めてから1時間が過ぎ、如月先輩が息抜きにと休憩の時間をくれた。すると、如月先輩の方から話しかけてくれた。

 「宮里さんは、勉強とか得意なんですか?」

 「実は、全然ダメで・・・。あ、でも! 国語は得意ですよ! 他にも、家庭科とか!」

 「料理得意なの?」

 「はい! 上手では無いんですけど、料理をすることが大好きです!」

 「そうなんだ・・・」

 如月先輩が少し下を向いて考え込んでいた。

 「如月先輩? どうしたんですか?」

 「・・・今度、俺になんか作ってよ!」

 如月先輩は顔を上げ、少し微笑んで言った。私はいろんな事に混乱してしまった。まず、如月先輩が私にお願いをしてきたこと。そして、如月先輩が私に突然タメ口になったこと。トドメに、如月先輩がいつどこでも滅多に作らない笑顔を私に見せてきたこと。いろんな事が一度に来過ぎて、私でもよく分からなくなっていた。よく分からないまま私は

 「そ、そろそろ休憩終わりにしましょうか! もう、十分休憩出来ましたし!!」

 そう言って、勉強を再開した。明日から、如月先輩と話せるのだろうか・・・?

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