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小説の向こう側  作者: 咲羅木優紀
4/10

嬉しい気持ち

 次の日の放課後。

 私は藍鎖騎さんと何を話そうかを考えながら文芸部の部室へ向かった。

 「お邪魔しまーす」

 入ると、黒髪の黒い眼鏡をかけた男性がそこに座っていた。藍鎖騎さんだ。

 「初めまして。あなたが・・・宮里さんですか?」

 藍鎖騎さんから話しかけてくれた。

 「・・・?なんで私の名前を?」

 「部員から聞いています。僕の小説を読んでくれたんですよね」

 「おっ! 早速話してるのねー! 如月ー!」

 話している途中、部長さんらしき人が入ってきた。

 「あなたが宮里さんねー! 話は聞いてるよー! 初めましてよね! 私、3年文芸部部長、柳瀬遥子やなせはるこ! よろしくねー」

 「よろしくお願いします」

 部長さんはとっても元気で、茶色の綺麗な長い髪をした人だ。

 「如月ー、ちゃんと自己紹介した~?」

 藍鎖騎さんは、無表情のまま立ち上がり、自己紹介をしてくれた。

 「2年、如月凛人きさらぎりんとです。どうぞよろしく」

 「あっ改めて、1年の宮里明日です! よろしくお願いします!」

 自己紹介が終わった後、部長さんは

 「あっ、そういえば私~、部長会議あるからちょっと行ってくるわー。その間二人でゆっくりお話してて! それじゃあ! ごゆっくり~」

 そう言い残し、部室を出た。


 しばらく沈黙が続いた。すると、藍鎖騎さんから話しかけてくれた。

 「あの、なぜ僕の小説を読んで僕に会いたいと思ったんですか」

 「それは、藍鎖騎さんの小説の文章だとか、話の構成とかあらすじの書き方とかがとってもきれいで、私も小説を書いているので、ぜひ藍鎖騎さんの小説を参考にしたいなと思ったんです! それで、お話を聞きたくて・・・」

 「僕に?」

 「はい! ・・・だめですか?」

 「僕でよければ、何でも教えます。また、ゆっくりした時に教えますね」

 「ありがとうございます!」

 「これから僕たちが関わっていくのであれば、その、僕のことペンネームではなく、名前で呼んでいただけませんか? 『如月』と」

 「分かりました・・・如月先輩! あ、私はなんて呼んで頂いてもいいです! 明日でも宮里でも!」

 「じゃあ・・・宮里さん」

 私たちがしばらく話していると、1年の部員たちが部室に入ってきた。

 「あ、宮里さん! 今日も来てたんだ!」

 「はい、お邪魔してます」

 「あ、僕これから用事があるので失礼します」

 如月先輩はそう言って、部室を出ようとしたとき、

 「あの! 如月先輩、分かってないと思うんですけど、私、本当に本当に如月先輩のお話しを聞ける事、楽しみにしてるんです! だから・・・明日も、部室で待ってます! 今日は、ありがとうございました! あと・・・こ、これからも、よろしくお願いしますっ!」

 私は、今思ってることを全部如月先輩に言った。それを聞いた如月先輩は、小さく笑って

 「ありがとうございます。僕も話するの楽しみにしています。じゃあ、これからもよろしくお願いします」

如月先輩はそう言って、部室を出た。その後、1年の部員の人たちは私に飛びついてきた。

 「ど、どうしたんですか!? 皆さん飛びついてきて!」

 「宮里さん! 先輩と話せたんだ! しかも、その呼び方!!」

 「はい、今日如月先輩と2人きりのときがあったんです。そのときに如月先輩から話しかけていただいて・・・」

 「すごいよ宮里さん! すっごい進歩だよ!」

 「こんな風に如月先輩とお話を出来たのは皆さんのおかげです。ありがとうございました」

 「何言ってるの? 言葉、間違えてるよ」

 「へっ?」

 私はびっくりした。私の言った言葉にどこも間違いなどはなかった。

 「『ありがとうございました』じゃなくて『ありがとうございます』だよ! これからも、宮里さんのお手伝いするもんねー!」

 「皆さん・・・! ありがとうございます! じゃあ、これからもよろしくお願いします!」

 「うん! よろしくね! それじゃあ・・・」

 「私たちも、宮里さんのこと名前で呼んでいい? 『明日』って!」

 「はい、分かりました」

 「私、B組のそのちとげ! 改めてしくよろ~!」

 園さんは、ショートヘアーの青色の髪をした、とっても元気な人で、お話しするのがとっても上手な人だ。

 「私は、B組の木村琉香きむらるかです。ちとげと同じクラスだから、いつでも教室来てね!」

 「はい、よろしくお願いします」

 木村さんは、緑色の髪をしていて、髪の毛を後ろでまとめている。性格は、園さんより少し落ち着いていて、とても優しそうな人だ。そんな話をしていると、学校のチャイムが鳴った。

 「もうこんな時間ですね、私は帰ります」

 「そっかー、んじゃ、今日はお疲れー! 明日も待ってるよー!」

 園さんが声をかけてくれた。

 「はい、今日はお疲れ様でした」

 そう言って、私は部室を出た。私は、たくさんの満足感に浸りながら、廊下をスキップして帰った。

 

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