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小説の向こう側  作者: 咲羅木優紀
3/10

恋の始まり

 次の日の放課後。

 私は今日も文芸部の部室に行くことにした。

 「今日は絶対会うもん!」

 文芸部の部室前でそう叫びノックをした。

「し、失礼しますっ!」

 「あっ、宮里さん。今日も来たんだ」

 「今日は、藍鎖騎賭斬さん・・・いますか?」

 私は少し不安をみせ、文芸部員に聞いた。

 「ううん・・・。ごめんね。」

 「そうですか・・・。」

 そう言って、私は昨日疑問になっていたことを聞くことにした。

 「・・・あの、昨日言ってた『今日も休んでる』ってどういうことなんですか? いつも部活に来てないんですか?」

 「やっぱり・・・気になるよね。 あの人、不登校なんだよね」

 「・・・! でも、何で?」

 「最初は、皆とも仲が良かったらしいんだけど・・・。しばらくの風邪で、学校休んでる間に新しい友達のグループが出来たみたいで、それから皆は、その、藍鎖騎さんを忘れて、違うグループで遊ぶようになったらしいの。それで、もうこのままじゃここでは上手くやっていけないって、学校に来なくなっちゃったらしいの」

 私は、その場で立ち尽くすことしか出来なかった。

 「・・・ごめんね! でも、話すべきだとは思っていたの」

 「こちらこそ! ・・・ごめんなさい。毎回お邪魔して。それじゃあ・・失礼します」

 私はそう言って、逃げるように部室を出た。

 「・・・もう会えないのかなぁ」

 そう言って、私は静まった廊下を歩いていった・・・。



 次の日の放課後。

 私はいつものように文芸部の部室に向かった。部室までの道のりはいつもより長く感じられた。

「今日来てなかったら、この出会いは諦める・・・」

 私は決心を決め、部室のドアを開けた。

 「・・・失礼します・・・・・・」

 「おっ! 宮里さん!来たね~!」

 なぜか、部室の雰囲気が明るかった。

 「み、みなさんどうしたんですか!?」

 「どうしたって、部室見て気付かないの?」

 そう言われ、私は部室の中をぐるっと見渡した。すると、見た事のない人影が一人。

 「・・・この人。誰ですか?」

 「ふふっ、宮里さんが会いたがってた藍鎖騎さんだよ」

 「・・・!」

 嬉しい。会えた。やっと会えた。

 「宮里さん!? 泣いてる!?」

 「・・・っえ!? ホントだ・・・!」

 私は知らぬ間に、涙をこぼしていた。

 「どうする? 一緒にちょっと喋っとく?」

 「・・・ごめんなさい。まだ、心の準備が・・・」

 「そっか! じゃ、明日も待ってるよ!」

 「はい! ありがとうございます!」

 そう言って、部室をあとにした。

「明日も部室に行こう!」

 そう叫んで、私は廊下をスキップして帰った。

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