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小説の向こう側  作者: 咲羅木優紀
2/10

遠い向こう

 課題を取りに行った帰り、あるものが目に入った。

「山積みになってる・・・。何だろ?」

 私は気になったのですぐに見に行った。

 「文芸部の部誌?なんでこんな山積みに・・・?」

 私は誰か間違えて置いたのかと思い、辺りを見回した。すると部誌の横に「ご自由にお取り下さい。」と書いてあった。なるほど、そういうことか。と思った私は、文芸部の部誌に興味があったので、一つ貰っていくことにした。私は、部誌を早く読むために、図書室に向かって走っていった。


 私は図書室に戻ると、すぐにお気に入りの特等席に座り、部誌を開いた。どの小説も題名から興味を持つものばかりで、るんるん気分で小説を読んだ。


 「ふぅ~。」

 読み終わった私は大きなため息を吐き、おまけに大きな伸びをした。どの小説も面白かったが、特に興味を持った小説があった。文の構成も綺麗で、話も面白かった。こんなに良い小説を書く人が同じ学校にいると思ったら、私は会いたいと思った。せめて作者だけでもと思い、目次を見た。その作者は

 「らんさ・・と・・・何て読むんだろ?」

 目次には「藍鎖騎賭斬」と書いてあった。私は読み方が分からなかった。この人が分からなければ、いつまでも会えないままだ。

 「明日、文芸部の人に聞こう・・・。」

 そう言って、私は荷物をまとめ、図書室を出た。



 次の日の放課後。

 私は文芸部の人に、昨日気になった作者さんの事を聞きに行くことにした。そんな私は文芸部の部室に聞き込みに行った。

 「し、失礼します・・・。」

 私はノックをして、部室に入った。すると、一年の文芸部員の人が出てきてくれた。

 「あれ? 宮里さん。どうしたの?」

 「少し聞きたいことが・・・。この作者さんのことなんですけど・・・。」

 私は「藍鎖騎賭斬」と書いている所を指差した。

 「部誌、読んでくれたんだ! ありがとう。でも、この小説の作者さん今日もいないんだよねー。」

 「今日も?」

 「あー。何でもないよ! さっき言った事は気にしないで!」

 「分かりました・・・。失礼します。」

 私は心の中にもやもやを残したまま部室を出た。

 「明日は・・・来てるよね・・・?」

 そうつぶやき、私は家に帰った。

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