恋する少女と夢見る少年:p1
注意:こちらはSS速報VIPに書き込んだ内容をまとめた物となっています。
作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。
ある意味で歴史に残るような入学式から次の日、二年一組の教室にやってきた俺を出迎えたのはクラスメイト達の雑談ではなく好奇の目だった。
普段、目立たない学生が入学式で美少女に告白された――普通ではありえない状況を気にならない生徒は居ない。当然と言えば当然である。
いつもと違う朝に戸惑いながらも自分の席へと向って歩き出すと席に座ったところで一人の男子生徒がやってきた。
恋愛フラグメーカーこと河野純一である。
「よう、彼氏さん」
「……誰が誰の彼氏さんだ」
馴れ馴れしく話しかけてきた河野純一にそう答える。
俺と河野純一とは同じクラスになるまでは直接、関わったことはない。繋がりといえば、河野純一の親友である鳴海陽介と去年、クラスが一緒だったことだけである。
そんな河野純一が俺に関わった理由としては、好奇心から俺に接触した――そんなところである。
他の生徒達もこちらの様子をチラチラと窺っているようだし……。
「お前が相澤梓乃ちゃんの彼氏ってことだよ。入学式に才色兼備な新入生に告白された男って、一日で学校中の噂になってるぞ?」
噂って……しかも学校規模って……。
あまりにも大事になってた為に軽く眩暈を起こしそうになる。
「で、実際のところどうなんだよ?」
そういうと河野純一がマイクを持った記者を真似て握り拳を俺の前に突き出す。
エアマイクを奪い取る動作をすると、俺は握り拳を自分の口元に持っていき言った。
「……今まで接点すら無かった相手だぞ? こっちが聞きたいくらいだ」
「と言いつつ、美少女に告白されてすごく嬉しいんだろ?」
河野純一は俺からエアマイクを奪い取り、再び俺の前に突き出し言った。
「……まあ、すごく嬉しいです」
思わず本音が出てしまう。
正直、美少女どころか女の子にすら縁のない非リア充な俺としては相澤梓乃からの告白はすごく嬉しかった。
仕事だけの関係とはいえ、西崎のような美少女と既に関わっている時点で俺も羨ましい部類に入るのだろう。しかし、西崎とはあくまでも仕事だけの関係、昨日、初めて一緒に帰っただけの俺にとっては高嶺の花と同じ、現実には見える距離にあろうとも心の距離で考えれば、まだ遠くにあるみたいなところである。
つまり、そんな男があんなストレートな告白をされたら誰だって嬉しいものである。
「羨ましいぞ、このリア充!」
「お前らが言うな!!」
「そうだ、お前がいう……誰だ?」
突然、発せられた第三者の声に振り返る。
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作者=ゆうきゆい(仮)=>>1=◆rMzHEl9LA2です。