表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

生徒会室にいこう?!

「へーまさか、秀平がねーそんな風には全然見えないけど」


教室に帰る途中、まじまじと俺を見ながら新がそんなことを呟いた。


「なにが?」


へーの部分になにか含ませましたよね?


「はぁ?なんで自分が生徒会に任命されたかまさか知らないのかよ!」


あからさまに機嫌の悪い天十郎が俺の頭の上の?を見て声を荒げた。


「まあまあ天十郎」


新が天十郎をなだめる。

このコンビはすごくバランスが取れていると思う

暴走する天十郎を新がなだめるという感じで。

なんというかそう絵になる。


「あのなんで俺が?…」


できればさっきの

へーに含まれた部分をわかるように説明していただきたいのだが。


「まあ…後で生徒会室行ったらわかるよ、放課後一緒に行こう」


そう言った新に一つの疑惑が降りかかる


「え…もしかして」


「僕たちも生徒会だからね」


天十郎の肩をポンポンと叩きながら笑顔で答えた。

ああ容疑者の自白により、この事件は解決のようだ。

でもまだ尋問したいことが沢山あるんですけど!


これは偶然か必然か。

どっちにしろ運命なのか。



教室に戻るとクラスのみんなが俺を取り囲んだ。

「佐倉!生徒会に入るってホント?!」

「佐倉くんてやっぱりそうなんだー」

「なんか雰囲気あるもん!キャーvvvv」

「来るものの拒まずな感じなだけなんじゃねーの?」

「それか押しに弱いとか!」


あるあるー!と全体がなぜかまとまりかけた隙に俺は包囲網をなんとか抜け出した。


「ちょ、ちょっと待て!やっぱりそうとか雰囲気あるとか!なんだよそれ!誰か俺にわかるように説明してくれよ!」


「はは、知らないとこがまた可愛いというか!そこまで必死になられると逆に教えたくないというか!」


新が笑いをこらえるように大声で発言した。

これはつまりアレか、面白いから誰も俺に何も教えるなということか、クラスメートに釘を刺しやがった!

こいつはアレだドSだ。

俺は別にMじゃないのになんだか逆らえない雰囲気がすごい

みんなもそれ以上もうなにも言わなかった学級委員の力なのかこれは。

天十郎はといえば、俺に対してツン発動中らしく傍観者の位置にいながらまったくこっちを傍観してなかった。

まあ簡単にいえば無視である



そんな感じで授業は全然耳に入らずに

あっという間に放課後になった。


帰り仕度を整えながらこれからの俺について考える。

これからどうなるんだ俺!


隣の天十郎が立ち上がったので俺も勢いでつられて立ち上がったら


「トイレいくんだけど、なに。付いてくる気?」


なんて言われて、


「いい、やあああの!」


やばいテンパってる、いろんな不安と緊張感で挙動不審になりながら口から出るのはその場しのぎにもならない声。


というかトイレは男性用?それとも……

また変な思考回路だけ冷静な自分!とりあえず通常時使用中の思考回路おちつけ!


そんな俺の肩をポンッと叩いて新が声をかける。


「じゃあ秀平、お待ちかねの生徒会室いこうか!」


「別にお待ちかねってわけじゃ……」


「知りたくないの?自分が選ばれた理由!」


「…それは!…」


はっきりしない俺の手を引っ張って新が歩き出す。

そうして俺は生徒会室に強制連行されたのだった。




広い校内手を引かれるままに歩いて俺はあっという間に現在地がわからなくなる。

ちょっと待てよ、そういえば俺校内案内とかされてなくね?

転校生にはそんなおきまりのイベントがあったはずなんだけど!

まあそれどころじゃないのも確か。




「ついた!ここだよ」


そう言って新がいきなり足を止めたドアの前は…生徒会室であるはずがない場所。


「は?ここって……?」


俺が目を疑ったのは間違いない。

だってこのドアには


『生徒会室!ノックしてね!(*^o^*)』


と書かれた手書きの紙が貼ってあるだけで、その上には保健室と書かれたプレートがぶら下がっていたから。


「だからここ生徒会室だから、あ!兼保健室だけど」


「生徒会室と保健室が一緒……?」


「まあ入ればわかるよ、」


そう言って新がドアをノックしようとした瞬間!…

ガラッ!

勢いよくドアが開いてノックの拳は空を切った。


「うわっ」

びっくりした新の声を横で聞きながら俺は出てきた人に両手で肩をつかまれた。


「君が佐倉秀平くん?!」


「はい!そう、ですけど」


「生徒会室にようこそ!待ってたよ!待ちくたびれた!なかなか来ないからいまから逆に迎えにいこうかと思って!でも来てくれて嬉しいよ!さあ入って入って!」


すごい勢いで喋られてされるがままに俺はそこに足を踏み入れた。


保健室兼生徒会室


なにもかも怪しすぎる!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ