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学級委員と隣りの子

教室中の視線が自分に向く中、必死に自己紹介という羞恥プレイに俺は耐えている!

「佐倉君になにか質問のある人ー!」

俺の横で五十里先生がいきなりそんな事を言い出した。

「な、!」

なにを言い出すんだこの先生は!と五十里先生の方を見たら

にこっといい笑顔で返されてしまった。

この人、絶対楽しんでる。俺の反応みて楽しんでる。


「好きなタイプはー?」

クラスからはありきたりな質問が飛んでくる。

「ほら、佐倉君好きなタイプは?」

面白がって煽られる

そんなこと言われてもハッキリ決まってるわけでもなく。

「んー好きになった人がタイプかな?」

なんてとりあえず、曖昧な答え方をする。

「じゃあ誰でもチャンスがあるってことですね!」

「誰でもいいなんて佐倉君って守備範囲ひろーい」

なんだかあらぬ誤解を招いてしまったようだ。どうしよう。


誰でもいい守備範囲も攻撃範囲もひろい佐倉君。


とか!どんな第一印象だよ、最悪だ。


しかし、さっきから聞こえるのは男の声ばかりで…

けどクラスには女子も数人いたから特には気にしなかった。

俺への質問コーナーがやっと終わり、

「佐倉君は天十郎君の隣ね」

と五十里先生に言われて教室の中ポツリと開いた席に目を向ける。

その隣にいたのは


金髪の髪に高い位置のツインテール

しかも腕を組んで机に足を乗せている。なんという!あからさまに不良!不良だ!

スカートから覗く魅惑のふともも。

そんなに足をあげたらパンツがみえますよ。

変な思考回路だけ冷静な自分。

ちょっと怖いけど、少しドキドキしながら席に着く。

クラスで数少ない女子の隣だなんて俺はなんてラッキーなんだ!

「…よろしく」

そう声をかけたら

「あ?ぁ、」

眼付けのような声を出されてちょっと怖かったけど可愛いから許す。

きっと照れてるんだよ、ツンデレ属性っぽいし。

「天十郎君、佐倉君にいろいろと教えてあげてね」


・・・いろいろと


この時点で俺はいろいろと気づくべきだった。


「じゃあ俺は会議があるから職員室戻るわ、学級委員あとはよろしく」

五十里先生が教室をでていく。

知らない空間に一人取り残されたみたいで少し心細くなる。

「起立!礼!」

学級委員の声が教室に響く。

俺もこの流れに乗ってみたら、さっそくクラスの一員になれた感じがした。


HR終了後、すぐに一人のクラスメイトに話しかけられた。

「学級委員の津愛新つのりあらたです。よろしく」

「あ、佐倉秀平です」

「もう覚えたよ、あ、秀平って呼んでもいいかな?」

笑顔でそう言われて嬉しくなる。きっと一度聞いたことは忘れないタイプに違いない。

いかにも頭の良い優等生な雰囲気なのに気さくな学級委員がいて安心した。

「うんいいよ!よろしく」

「僕のことも新でいいから。わからないことがあったらなんでも聞いてね、その隣の天十郎よりは役に立てると思うから」

新のその言葉を聞きながら天十郎の方を見たが、ツーんとソッポを向かれたままだった。

「一時間目は全校集会だから体育館に行かなくちゃ、秀平場所わかんないでしょ?一緒に行こう」

新にそう言われて立ち上がる、体育館の場所なんて全然わからない。

さすが学級委員頼りになる。

隣の天十郎も立ち上がる。不良でも全校集会にでるのか、はたまたサボりか。

立ち上がった天十郎を見て驚いた。

身長高い…なんというモデル体系…いや、違う、なんだこの違和感。

あんまりガン見してたもんだから

「何見てんだよ」

と言われてしまった。

「天十郎ー!全校集会ちゃんとでろよー」

新が声をかける。学級委員にそんなことを言われるくらいだ、やはりサボりの常習犯なんだろうか。

「新、俺が全校集会サボったことあった?」

「いや、ないね」

ないのかよ、見掛けによらずわりと真面目なんだろうか、しかし俺って…?

きょとん顔をしていた俺に新が話しかける。

「あ、念のため言っとくけど天十郎、男だから。気づいてると思うけど」

「は、えぇえええええええええ!」

思わずオーバーリアクションで驚いてしまった。

そんな俺を見て新が大爆笑している。

「あははははは!ナイスリアクション秀平!」

そんな2人を見ていた天十郎がついにキレた。

「うるさい!だいたい俺は天十郎じゃなくて天十郎てんじゅうろうだ!」

つまり、天が名字で、十郎が名前らしい。

でもみんななぜか繋げてフルネームで呼んでいるので俺もそう呼ぶことにした。

あれ?この学校って女装OKなのか。

だって普通の女子より可愛いぞ、これで男なんだから犯罪である。俺は騙された!

このときは2人と仲良くなれたのが嬉しくてあまり深く考えてなかった。


好きなタイプは女性です。

と答えとけばよかった…と、俺は後で散々思うはめになるなんて。

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