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ループのルール

神谷悠斗はコンビニの前で立ち止まっていた。


隣には佐倉玲奈がいる。


昼間の道路は静かだった。


事故が起きるとは思えないほど、平和な景色だ。


「……で」


悠斗は玲奈を見る。


「3回目って言ったよな」


玲奈はうなずいた。


「はい」


「私は三回、7月14日を繰り返してます」


悠斗は頭を整理する。


「俺は……今が2回目だ」


玲奈は少し驚いた顔をした。


「じゃあ、昨日気づいたんですね」


「事故を見て」


「……ああ」


悠斗は道路を見る。


あの事故。


21時12分。


黒い車。


電柱。


どうしても起きる事故。


「止めようとしたけど」


「無理だった」


玲奈は苦笑した。


「やっぱり」


「私も同じことしました」


「でも結果は同じ」


悠斗は腕を組む。


「つまり」


「事故は止められない?」


玲奈は首を振った。


「まだ分かりません」


「ただ」


「いくつか分かったことがあります」


悠斗は顔を上げる。


「ルールです」


玲奈は指を一本立てた。


「まず一つ目」


「物はループを越えない」


悠斗は思い出す。


昨日書いたメモ。


朝には消えていた。


「やっぱりそうか」


玲奈は続ける。


「二つ目」


「人の記憶は残る」


「少なくとも私とあなたは」


悠斗は聞く。


「他にもいるのか?」


玲奈は首を振る。


「まだ分かりません」


「でも今のところ」


「私が見つけたのは神谷さんだけです」


悠斗は少し安心した。


だが同時に、不気味でもある。


「三つ目」


玲奈は言った。


「時間は完全に同じ流れになる」


悠斗は理解する。


ニュース。


通学路。


コンビニ。


事故。


全部同じ。


「未来が決まってるみたいだな」


玲奈は静かに言う。


「そう」


「でも」


「一つだけ違うことがあります」


悠斗は聞き返す。


「違う?」


玲奈は悠斗を見る。


「私たちの行動です」


「ループを知っている人間だけは」


「未来を変えられる」


悠斗は少し考える。


「でも事故は変えられなかった」


玲奈はうなずく。


「だから調べる必要があります」


「事故の原因」


「この町の異常」


そして玲奈は続けた。


「それと」


「もう一つ」


悠斗は聞く。


「何?」


玲奈は少しだけ真剣な顔になった。


「神谷さん」


「事故の運転手」


「ちゃんと見ました?」


悠斗は思い出す。


血まみれの男。


ハンドルに突っ伏していた。


「……見たけど」


玲奈は静かに言った。


「私は三回見ました」


「全部同じ顔でした」


悠斗はうなずく。


「同じ事故だからな」


だが玲奈は首を振った。


「違います」


「そうじゃない」


玲奈はコンビニのガラスを見ながら言った。


「その人」


「毎回、同じ服を着ているんです」


悠斗は凍りついた。


「……それが?」


玲奈はゆっくり言った。


「普通、事故って」


「ランダムに起きますよね」


「でもこれは違う」


「時間も」


「車も」


「運転手も」


「全部同じ」


玲奈は悠斗を見る。


そして言った。


「つまり」


「これは事故じゃない」


「誰かが起こしている出来事です」


悠斗の背中に冷たいものが走った。


もしそうなら。


この町のループは。


ただの異常じゃない。


「……事件?」


玲奈は静かに答えた。


「はい」


「そして」


「その事件は」


玲奈は事故現場の電柱を見る。


「この町の誰かが作っている可能性があります」

※25話まではストックあるのでちょこちょこあげていきます。

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