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ブルータル地区。
この国に存在する国から見放された場所。
隣接する地区は存在せず、ブルータル地区付近にある場所といえば自殺の名所と呼ばれる森が一つ。
不気味な静けさと肌寒さを感じるこの場所に近付こうと思う正常者は存在しない。
この場所に寄り付くのは、気分を高揚させるモノを目的とした者、他者に対する復讐を目論む者、金銭苦から抜け出したい者が多い。
木々を潜り抜けた先にあるブルータル地区内に入る事は容易い。
しかし、無事に外に出られるかは別の話である。
ブルータルに存在する二人の王が出る事を許可しなければ、どれだけの大金を積もうと、どれだけ懇願しようと、それは叶わぬ夢として終わりを告げるのである。
王の目がキラリと光れば逃れることは不可能なのだ。
国内でずば抜けて治安が悪いと言われるこの場所は、今日もまた誰かの悲鳴と笑い声で乱れている。
暗闇に浮かぶ灯り。
灯りに照らされ踊る人。
空を見上げて月に見とれ 口元を緩ませる。
ここに来た者は幸せになれる。
楽園と呼ぶに相応しい場所。
だが、楽園の王は人を選ぶ。
選ばれ無ければ地獄と化するこの場所に、今日もまた一人二人と集い出す。




