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涼やかに 心助ける 救い風
夏の終わり、戦場の熱気がまだ残る谷間に、一陣の風が吹いた。
焦げた大地を撫で、倒れた兵の頬をそっと冷ます。
その風の中心に、ひとりの男が立っていた。
蒼生大和軍団を率いる軍主
彼の指先から放たれたのは、炎でも雷でもない。
青白く揺れる“風の祈り”だった。
「涼やかに
心助ける
救い風」
紡ぐ。
言葉とともに、光が広がる。
民の息が静かに整い、荒ぶる魔の気も鎮まっていく。
風は草薙の心から生まれた――戦うためのものではなく、“救うための力”。
遠くで、声が微かに響く。
涼やかに
心助ける
救い風
その一句を、彼は胸の内で静かに繰り返した。
それは戦いの時代にあっても、人を想う心を忘れぬための祈り――。




