第1話 突然ですが、始まります
やあ、諸君。私の名前はユン・ユニフォード。
由緒正しいウォルラント王国の宮廷魔術師をやっている。
当然だが、世界でも有数の魔法使いである。
そんな私が今日、君たちウォルラント魔法学園の新入生へ特別講義をしているわけだ。
もちろん毎年私のありがた~い話を聞けるとは限らない。私の気が向いた年だけだ。
何が言いたいかわかるかね?
つまり、君たちは非常にラッキーだということだ。
しかもこの学園に入れた君たちには魔法の才能があるわけだが、それまた最高にラッキーな話だ。
なぜなら魔法さえ使えれば食うに困らないからね。むしろ困るほうが難しい。
例えば私は毎日王宮で贅沢三昧をして たまにちょ〜っと働くだけで、国の英雄と讃えられている。
それは私が魔法使いだからだ。魔法使いというのはそれほど強大な力を持っているからね。
私は魔法以外のことはめっきりダメだ。
しかしそれは逆に、魔法の才能さえあれば誰でも私のようになれるかもしれないということだ。
だから──ん? そこ、質問?
ああ、私の後ろにいる彼らかい? 彼らは私の弟子だよ。
そうそう、弟子は随時募集中だ。月額10万ウォルスで私の弟子になれる。
滅多にない機会だから、興味を持った子たちは後で私に声をかけたまえ。
ああそうだ、せっかくだから弟子たちの話も聞いてみようか。
じゃあ……リア・ビブリオカスター、ミリ・セントボーン、それからアリス・モノウィッチ。
この子達が私の弟子の実力者上位3人だ。
まずこの子が首席のリア・ビブリオカスター君。どうだね、私の弟子になってみて。
「先生は我が国随一の魔術師でいらっしゃるので、とても勉強になります」
そうか、それはよかった。ではつぎに第3位、ミリ・セントボーン君。
「ええと、先生強い、です。とってもためになる、ます」
ハハ、彼女は人見知りでね。話し方が少々ぎこちないのは大目に見てくれ。
そういうわけだから……え? 2番手?
ああ、すまない忘れていたよ。
こちら、第2席次アリス・モノウィッチ君だ。どうだいモノウィッチ君、私の弟子なってみての感想は?
「先生は人格が終わっています。弟子は雑用ばかりで大して魔法を教えてくれるわけでもないです。弟子代の10万ウォルスもぼったくりです。物好き以外はやめた方がいいです」
……ハハハ、だそうだ、諸君、彼女はこういう冗談が好きなんだ。毒舌ってやつさ、ハハ……ちょっと一瞬だけ待っててくれ。
──おいモノウィッチ。
「なんですか先生」
──私はいつでも君を破門にできること忘れるなよ?
「忘れてないです」
──忘れてなければなぜあんなことを言う?
「本当のことだからです」
──チッ、実力がなきゃ君などとっくに……あ、ああなんでもない。諸君、ちょっと確認していたことがあっただけだ。話を戻そう。
とにかく立派な魔法使いになりたければ私に弟子入りするといい。ああ、あと固有魔法についてだが……ん?
今度はどうした。その服は学園のスタッフかい? そんなに焦ってどうしたんだ。講演に何か問題が?
講演とは関係がない? それなら後に……
緊急? 仕方ないな、魔王軍でも攻めてきたのか。
違う? だったらなんだ。
え? 魔法が使えなくなる? 誰が? 私? そんなバカな。
神託……ちょっと待て、一体なんの話だ。
ああ。 ああ。
…………その話、少し詳しく聞かせてくれ。
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