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宇宙ミーム汚染

作者: MITSUE

「それ」は宇宙からやってきた。「それ」には「生成AIガチャ」という記号列が記されていた。


「生成」と「AI」については付属の記号表にある記号であり、2記号と短い組み合わせだったため、後の研究で幾ばくかの理解が得られたが、「ガチャ」については何を指し示しているのか未だに判然としていない。記号表にない記号のため、研究が遅れているのだ。


「生成AIガチャ」はそれ自体に「PC」と打ち込んだ際に出力される画像に、見た目は近しいと考えられている。付属の記号表のほうは、「漢字」と記された約2500記号のセットと、「ALPHABET」と記された26記号のセットが記されている。


「生成AIガチャ」には「ALPHABET」のほうの記号が主に刻まれている「鍵盤」がついていて、これが入力装置のようだった。付属されている図表に入力方法のようなものも書かれていたようだが、こちらの解読はあまり進んでいない。


ともかく、「鍵盤」の見た目通り、「ALPHABET」のほうの記号は簡単に入力できたため、試しにいくつか入力して見たところ、出力としてよくわからない画像が出力として得られた。


適当に打ち込んだ結果、よくわからない画像が出る場合と、鮮明に見える画像が出る場合があることは分かった。我々も言語を記号で表記する文化はあるため、よくわからない画像の場合はおそらく無意味な記号列で、鮮明な場合は意味のある記号列であろうということは察せられた。


次に試されたのは記号表の1記号ずつを片っ端から順番に入力していくという方法だった。「ALPHABET」のほうはあまり意味のありそうな画像が出てこなかったが、「漢字」のほうは1記号でもかなり豊潤な意味を持つようで、多くの鮮明な画像を得ることができた。たとえば「火」や「水」といった記号を入力したときに得られる画像は我々にもなじみあるものだった。


その次に試されたのは、記号表の2つの記号の組み合わせを入力する方法だった。この作業は我々の科学力では少し手間がかかった。「ALPHABET」のほうは2つ組み合わせても650パターンであるため、それほど労力を要しなかったが、「漢字」のほうは約600万パターンにもおよび、組み合わせを作るのも苦労したが、入力の手間が恐ろしいものであった。しかし、得るものはあった。


「漢字」を2つ組み合わせたものの中で、出力結果がやたらと鮮明で、入力するたびに新たな知見を得ることができる組み合わせが発見された。それは「野」と「獣」、「淫」と「夢」の組み合わせであった。この記号の組で得られる画像、ーー「淫夢画像群」と呼ばれている。についての学説が現在までに114514個提出されている。





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