1話 友達が欲しい
友達が欲しい‼
友達を持っていない人ならこの気持ち、すごくわかるのではないだろうか?
今まで一度も友達なんてできたことがない。
だから、友達を作るために色々なことをした。
そもそも会話がまともにできなかったので、いっぱいライトノベルを読んだり、感想文を書いたりして、自分なりに会話力が身につくよう頑張った。
そのおかげで『これなら誰とでも話せるかも?』と高校二年になる直前の春休みにふと思ったぼくは、その日から公園にいる人に話しかけて、会話の練習をし続けた。
といっても相手はおじいちゃん、おばあちゃんなんだけどね。
でも、最長で二時間も会話を続けることができた。
だから、高校二年になれば、みんなと話せてすぐに友達ができると思っていたんだけど…………
いざ学校で会話を試みると、高校一年の時のように「あ、あのー」とか「え、あ、うん」とどもってしまい、練習の成果を発揮できず、以前のぼくに戻ってしまうんだ。
それで気まずい空気になって、クラスメイトとは疎遠になり、結局、友達ができなかった。
せっかく、あんなにも頑張ったのに!
周りのクラスメイト達がどんどんグループを作っていく中、ぼく一人、休み時間中ずっと本を読んでるか、スマホで動画を観ているだけ……
めちゃくちゃ寂しかった‼
このまま高校二年の生活もずっとぼっちなのか、と絶望的に思われたところ、転機がやってきた。
まぁ、その代わりに大変な日々を過ごすことになるんだけど……
で、その転機ってのが――