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七夕ロマン!?

♪ ささのはぁ~きーらきらぁ~、お星さまぁ、ゆ~れぇる~……。


こんばんは、ナビゲータの浅岡まどか、二十歳です。


え?歌詞が違う?


いいのですよ。まともに書いたら、色々な方面から色々あるのです。


いわゆる、オトナのジジョーってやつですよ。


そんな大人の事情はさておき、七夕ですよ?年に一度だけのラブロマンスですよ?湯もいっぱいロマン一杯ですよねぇ。


そんなロマンあふれる七夕も、昨今では色々事情が変わってきてるようで……。


今回は、そんなロマンと大人の事情の狭間の物語です。


っと、一応お約束。


『このお話はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。登場する団体名・人物名はすべて架空の物です。』


  ◇ ◇ ◇


「おはよーございまぁーす。」


今日は遅番なので、私が出社するとみんなはすでに仕事中なのだけど……。


「お、まどかちゃん、ちょうどいい処に。」


私の姿を見た三宅センパイが、目の前に段ボールを置く。


「なんですかこれ……えーと、織姫フォト撮影会?」


「そう、近所のカメラやが主催したフォトコンだよ。それの審査を頼まれてるわけ。」


「えぇっ、そんな重要なこと、私なんかでいいんですか?」


そういいながらも、少しだけ嬉しい。


フォトコンの審査ということは、自分がプロとして、写真を観る眼があると言われているの等しいからだ。


「ふっ、三宅センパイも、とうとう私の実力を認めたようですね。」


「あー、そういうのいいから。今忙しいんだよ。とりあえず、大賞はこの袋の中から1枚、入選はこっちの袋の中から、全部で5枚……人が被らないようにな。後、準入選と佳作はこっちの山から適当に5枚づつ選んでくれればいいから。」


「あ、もう一次選考は終わってるって訳ですね。」


「そう言うこと。じゃぁ、あとは任せたから。」


「あ、はい……ってちょと待って下さいっ!」


そのままセンパイを見送りかけ、重要なことに気づき、慌てて止める。


「なんだよ、もう出ないとまずいんだってば。」


「そんなの知りませんよ。それより、この大賞の写真、全部同じ人なんですけど?」


「それが何か?」


「何かっ……て、いいんですか?」


「いいんだよ、その人は大のお得意様らしいから。じゃぁ、今度こそ行ってくる。わからないことがあれば美並に聞いてくれ。」


三宅センパイは、そう言い残して、ダッシュで事務所を出て行った。


「お得意さまって……いいんですか、それ?」


私は近くで作業している美並先輩に、声をかける。


「いいのよ。ちなみに、入選も5人ぴったりだからその中から選んでね。」


「……つまり、お得意様が大賞と入選を取ることが決まってる出来レースってわけですか。」


私は少しだけ憤慨しながら呟く。


「小さなお店主催のコンテストなんてそんなものよ。」


「でも、それじゃぁ、『厳選なる審査』ってのはどうなるのですか?」


チラシの隅に書いてある「プロカメラマンを交えて厳選なる審査をしたうえで賞を決めます」という一文を指しながら言う。


「してるでしょ?厳選なる審査。」


「どこが?」


「厳選なる審査をしたうえで決まったことなの。そこに書いてないだけで、審査項目に「お店への貢献度」っていうのがあるらしいのよ。」


「……なんかそれって……。」


「大人の事情ってものよ。まどかちゃんも大人になればわかるわよ。」


美並先輩はそういって抱きしめてくれるけど……。


「私、一応大人ですよ?」


「はいはい、そうね、まどかちゃんは大人、大人。」


口では大人だと言いながら離してくれず頭をなでる美並先輩。


これ、絶対わかってない奴だよね。


「はぁ、大人って……。みんな、子供の頃……短冊にお願いを書いてた純粋な頃を思い出すべきですよ。」


そう、子供の頃、七夕で、お星さまに願いをかけた、あの純粋さ……。


あの頃は、大人の世界がこんなだとは思ってなかった……よね?


「ん-、それもどうかなぁ?」


美並先輩が少し困った顔をする。


「どゆことです?」


「あ、これ、幼稚園から預かってきたアンケート、見る?」


そういって美並先輩に渡されたものは、園児に「大きくなったら何になりたい?」「欲しいものは?」という二つの質問を集計したものだ。


これを卒園アルバムの最後のページに入れて、思い出にするんだけど……。


「えーと、なりたいものは……「うさぎ」「ポ〇モン」「ケーキ屋さん」「消防士」……。」


うん、幼稚園児らしく夢があっていいよね、こういうの。


「他には……「スポーツ選手」「アイドル」……園児らしくていいじゃないですか。これの何が問題なんですか?」


「2枚目を見てみて。」


美並先輩は苦笑しながらそう言う。


「えーと、2枚目?」


私は言われたとおりに紙をめくり、2枚目に目を通す。


「……。」


声が出なくなってしまった。


「お坊さん」、これはまだいい。少し変わってるけど、きっとどこかでお坊さんを見たのだろう。


それより……。


「あの、美並先輩?」


「なぁに、まどかちゃん。」


「これ、2枚目の半分以上が「ゆーちゅーばー」って書いてあるんですけど?」


ちなみに、他には「お金持ち」というのが次に目立っている。


「ゆーちゅーばー大人気ね。私もなろうかしら?」


「えっと、世の中そんなに甘くないと思うんですけど?」


「夢があっていいじゃない?」


……果たして、ゆーちゅーばーを目指すのは、夢のあることなの?


ゆーちゅーばーになりたいっていうのはロマンあふれることなのかな?


美並先輩の話では、今年の七夕の短冊の殆どが『ゆーちゅーばーになりたい』って書いてあったそうな。


……日本の未来、大丈夫かな?


せめて、私が生きている間ぐらいは、まともな世界でありますように、と星に願いをかけるのだった……。


 ◇ ◇ ◇


……というわけで、今大人気のユーチューバーサンたち。


出来れば、うまく立派な大人になれるように誘導してほしいですね、……〇ou〇ubeで。


将来の日本人のゆーちゅーばー率80%なんて言ったら、日本経済が壊れること間違いなしですよ。


ちなみに、「欲しいもの」の第一位は「お金」変わり種としては「馬」。


……埋まって、ウサギや猫が欲しいというのと同じように好きな動物が欲しい、って意味での馬だよね?間違っても、サラブレッドなんて言わないよね?


ほんと、日本の将来大丈夫かなぁ?


あ、一応くどいようですが……。


『このお話はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。登場する団体名・人物名はすべて架空の物です。』


ですからね、そこのところ、よろしく。





『このお話はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。登場する団体名・人物名はすべて架空の物です。』

似たような事例がありましても、当方は一切の責任を持ちませんのであしからずご了承くださいませ。


ご意見、ご感想等お待ちしております。

良ければブクマ、評価などしていただければ、モチベに繋がりますのでぜひお願いします。

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