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統合失調症

不安

作者: 星野☆明美

頭を悩ませていた金銭問題の見通しが、少し明るくなった。

脳がぎゅーっと締め付けられてぎゃーって泣いていたのが治るかと周りも自分も思ったのだけれど、

今度は夜洗濯物をたたむ年老いた母を見ていて、もしいなくなったら?と思ったら、また発作みたいに頭痛がした。

母がいなくなったら、別居しているアルコール依存性の父、施設に預けてある自閉症の弟、私。どうなるの?

助けて助けて!

ぼろぼろ涙が出てくる。

幻聴が、どうしたい?何が欲しい?と聞いてくる。

まだ死にたくない。家族も死んで欲しくない。

質屋に預けていた亡き夫だった人が買ってくれた指輪を今日、取り返してきた。もう二度と質屋には持って行かない。

左手の薬指は太くなっていて、途中までしかはまらない指輪。プラチナの大事な指輪。

半ば諦めていたけれど、指輪を取り戻せた喜びにまたしゃくりあげる。

指の途中まではめて、編み物を久しぶりにする。左胸が痛い。あの人は統合失調症の薬の飲み過ぎと生活習慣病のせいで心臓の動脈剥離で亡くなった。私も連れて行かれるの?心臓は本当は左胸には無いそうだから、心因性の痛みだろうか?指輪を外してケースになおす。

まだ、自分が生きた証を証明できないままだ。

セキセイインコが可愛く鳴いて、私がいなくなったらこの子たちはどうなる?と思う。呼びかけると呼応してくれる。癒される。

頓服薬は不安時用に処方されている。

今も一錠服用した。

根本的に気持ちの整理がつかない限り不安はなくならない。

今の尊さを感じられればいいのに。もどかしい。

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