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試験明けの重大発表

 今日は寝起きがいい、ミライの株は前日先物取引でストップ高。そして、友達が家に遊びに来る! 来るのは昼過ぎ、試験も近いのでそれまでは冷静になって暗記科目に時間を費やそう。姫パパも姫ママも気を遣って朝から外出、お昼は今日も姫ママ弁当。みんなもお弁当をもって集合ってことになってる。


 暗記科目、集中すると時間経過が早い。11時半過ぎにまず華が来た。そして12時前に香菜、全員揃ったのは12時半過ぎ、そこからはお弁当とお喋りタイム。勉強しろよっ!


「じゃあそろそろやるか!」


 口火を切ったのは華。直ぐ様切り替えて4人で猛勉強。15時まではひたすら……そして待望の!



「はーい、みなさーん、おやつの時間だよー」


「何これ? これって高級チョコレート? このマカロンも高いやつ! 宝石みたいなこれ、ドライフルーツ!」


 珍しく香菜のテンションが高い、そう喜べ! このお菓子盛り合わせは総額で3万オーバーなのだ! わかってくれてひと安心。


「今日は特別なんですよっ、じゃじゃ~ん」


 姫は携帯の画面をみんなに披露した。覗き込む3人、察しの良い華は頷く。香菜と舞は説明を待ってる。


「これは私の資産です! みなさんは昨日のニュース見ました? ミサイル防衛システム、ワクワクしますね」


「よく分からない、これがどうなるの?」


「増えます、爆発的に! みなさんに質問、一つ325円のお菓子を4700個持ってます。そのお菓子一つが3250円になったらどうなりますか?」 


「10倍だ!」「儲かる!」「たくさん食べられる!」


 食べるのかぁ……香菜はカワイイ!


「そして3250円になったお菓子を10個に分けて、一つ325円になる、それがまた3250円になったらどうなりますか?」


「その10倍!」


「そう、私はこれから、いわゆるおくり人と呼ばれる株の長者になるのですっ!」


「ってことは高1でお小遣いが1億5000万もあるってこと? 何でも買えるじゃん!」


「なのでその記念として3万オーバーおやつを用意してみました! そして夕飯は……高級寿司店の特上寿司の宅配で〜す!」


 寿司桶を宅配するなんて、前世のキャバクラ以来かぁ……笑える。パパやママも居ないからやりたい放題。でもカトレアの生徒は本当に凄い、おやつも出前も最高に盛り上がったが、キッチリ試験勉強だけはやった。22時の解散まで……。



△△△△△△△△△△△△△△△



 試験当日はすぐに訪れた。学年1位とはいかないが、初日からソコソコ出来たと実感。寿司桶勉強会もかなり役に立った。


 試験日程の終了する前日、試験が終わると藤川先生に声をかけられる。


「伊集院、今日の日程終わった後理事長室に行ってくれない?」


 姫は理事長室に呼び出された。理事長、滝川さん……トラブルの予感しかない。


 試験終了後早速理事長室へ


「失礼します」


「申し訳ないな、試験期間中に」


 滝川理事長だ! ビジネスライクは変わってない。その他に2名、一人は白井監督、もう一人は白井監督? 二人いる……


「こんにちは。はじめまして白井百花です。ごめんなさいね、驚かせちゃった?」


 姫は知ってる、日本女子代表監督の名前だ。現在日本女子サッカー界は低迷している、代表戦でも放映はない、なので監督の顔は知らなかった。有名な選手は皆無、唯一アメリカでプレーしている黒川は日本でも著名だ。いや、海外での人気の方が高い。日本では代表再建の意志もなく、ひたすら自分の向上を目指す黒川に批判の声も多い。


「まあ座って。白井監督が来てることで察しはつくと思うが……」


 あー、参った……フル代表候補へのお誘いだろう。しかし何故? 確か練習試合は録画してたと思うが……。


「しかし可愛いわねー、私の恋人にしたいっ」


 あ、デジャブー。咲さんみたいなことを言ってる。代表監督はチャラい感じである。


「姉さん、それレベル低い発言! ここはカトレアよ」


 やはり姉妹なの……これで合点がいく。でも代表に選ばれるとなると……姫が一人で決める訳にはいかない。有名になれば姫の中学時代がネックになる、姫は全く平気だが、両親が傷つく可能性が高い。


 早速、正式に代表選出の打診がなされる。滝川理事長が発言する。


「伊集院、実は前もって君のお母様には連絡してある。ご両親の意向としては娘の意思を尊重するそうだ。さっきお母様に会ってきた、一応同級生だしな!」


(知らんよ、そんなの! 3者面談の時は他人だったじゃん)


 姫は平静を装うが心から驚いた……恐るべし滝川女史。少し時間を空けて姫は口を開いた。



「……私はあまり気が進みません。サッカーは大好きです、でもサッカーを職業にしようとは思っていません。それに……名前が出たりすると色々心配で」


 少しの沈黙……。


「じゃあプレスの発表はバックアップメンバーってのはどう? 今回はU19世代のアジア選手権があるので、何人か主力が抜ける。その代わりと言っては何だがお手伝いしてもらって、もし続けていけそうなら次の召集の時に代表とかさ」


 百花監督がそう提案する。良い落としどころである。


 話し合いにより代表召集のプレス発表はしないこと、学院内では代表のサブメンバーと言うことで発表することになった。


 ちなみに、U19日本代表候補としてソウルでの予選に林部長、斎藤副部長、舞が選出されていた。

自宅での勉強会、姫は青春してる。


そして代表候補の打診……さて、このまま姫はサッカー界のニューヒロインになっていくのか!


注:この作品はスポ根小説ではありません(笑)

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