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プロローグ

【正義の三原則】


1.正義は最大多数を幸福にするものでなくてはならない。

(全員の幸福を実現する術がない場合の判断基準。ただし「少数派は見捨てられて良いのか」という批判を受けているのも事実である)


2.ヒーローは命ある限り正義でなくてはならない。

(ヒーローは現役時も退役後も含め、違法行為を行ったり悪の組織に加担したりしてはいけない、という意。実際、これに違反すると通常より重い刑罰が適用される傾向がある)


3.正義は正しい方法で守られなければならない。

(例え任務遂行が目的でも、違法薬物などによる身体改造や認可されていない武器の携帯、極端に社会的規範から逸脱する行為や司令部からの命令に違反する行為を行ってはいけない、という意。この原則だけを抽出して「ダークヒーロー禁止令」と呼ぶこともある)


 ──これは、【大銀河ヒーロー理事会】がその発足時、活動理念として掲げたことで有名な『正義の三原則』の条文である。



 § § § 



「きゃーっ」

「悪の怪人だーっ」

 その週末、突如として怪人が街に出没した。

「ぐーへーへーへー、悪徳財団の怪人さまのお通りだジョー」

 出没した怪人は、部下である戦闘員に命令して逃げ惑う市民を怯えさせる。彼らの名は、悪の秘密結社【悪徳財団】! 合言葉は「分からぬ奴には分かるまで分からせる」!

 しかしそのとき

「そこまでだ、怪人!」

「ジョッ!? この声は!?」

 怪人があたりを見渡すと、そこら中からゾロゾロと現れる正義の戦隊【ジャスティンガー】総99人!

「ただちに投降しろ! さもなくばこの場で成敗する!」

「えーい、毎週毎週エエカッコしながら現れては人の邪魔ばかりしおってからに! 戦闘員ジョも! この世の支配者は誰なのか、分からぬ奴には分かるまで分からせるのだ! 行けぃ!」

 怪人の号令と共に、頭数だけは負けていない戦闘員たちがジャスティンガー隊員に襲いかかる! その瞬間!

「言ってダメなら仕方ない! 『正義開始』!」

 その掛け声と共にジャスティンガー隊員は戦闘用特殊強化服「ジャスティンガースーツ」に変身!

 ──説明しよう。

 ジャスティンガースーツは、ジャスティンガー専用の戦闘服である。衝撃吸収能力や耐熱・耐電・耐薬品性能に優れており、また着用者の身体能力を著しく向上させることができる。

 これまではスーツの材質に合う変身装置がなかったので、隊員は着替えてから現場へ向かっていたが、大銀河ヒーロー理事会がヒーロー協賛企業と公認したベンチャー企業Harmonia Artifact LLC.(通称HAL社)が変身装置を開発したことで、このように現場でも5秒ほどで変身できるようになったのである。

 余談だが、悪徳財団の戦闘員は紳士なので5秒くらいは待ってあげるぞ!

「よし! 行くぞ、みんな!」

「小癪なぁ! ここで貴様らを打ちのめし、次回のタイトルは『最終回・さようならジャスティンガー』で決まりだジョォ!」

 こうして今週も正義と悪の戦いが始まった……。


※特設コーナー「後書きでも説明しよう!」


●ヒーロー

 勇敢な戦士に与えられる誉め言葉。

 狭義では「大銀河ヒーロー理事会」の公認を受けた、重大な侵略的犯罪組織(いわゆる悪の組織)から民衆を守る特殊精鋭部隊を指す。


●大銀河ヒーロー理事会

 あらゆる高等文明惑星の代表政府が属している「大銀河議会」の直轄組織。

 世界各地で活動するヒーローたちの仲介役を担い、それぞれのヒーローが集めた悪の組織の情報を共有する。

 また個々のヒーローでは倒せない強大な悪の組織に対して総攻撃作戦を企てることもある。

 さらには広報活動にも力を入れており、「今週のヒーロー」という機関紙を一般人向けに発売している。


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