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最強の傭兵〜VRMMOでも世界最強?〜  作者: ハロウィン
第2階層
148/152

クラン戦争②

 転移の光が視界から消えると、クランホーム内にいたはずの恭弥たちは外に出ていた。彼らの目の前には、地面から垂直に生えているツルの上に咲いている球体が一つ。

「これがオーブってやつか…」

「とりあえず、透明化の特殊技能を使う?」

 オーブをいじっている智美が提案する。

 全員がオーブを覗き込む。オーブには、正距方位図法、航空図でよく使用される、直線距離と方位が正確な地図が表示されており、無数の光の点が散財している。

「…このマップを見て確信したが…」

 恭弥がノブナガに視線を向ける。

「まず、小規模クラン狩りが始まる」

 恭弥の発言にノブナガが頷く。

 オーブに映し出されている地図上に光る点は各クラン島の場所を示していることが読み取れる。そして、恭弥たちが注目したのは光点の大きさである。

「この光の大きさはクランの規模を表している、ってこと?」

「…そういうことだろうな」

「えっ、じゃあやばいじゃん!早く逃げないと!!」

 焦る智美が正解ではある。

 敵クランの規模が分かれば、敵を選んで安全に点数を稼げる。つまりは、小さい光、小規模クランは大規模クランにとって格好の餌食になるのだ。

「逃げちゃダメだ…」

 DDが呟く。

「そうだな。遅かれ早かれ、小規模クランが狙われることは分かってた」

「逆にこれはチャンスだってばよ」

「うむ、敵が勝手に点数をくれに来るとも考えられるでござるからな」

「決まりだな。透明化なしで動かず待つ。1日目はこの方向性で」

「え〜…安全にいこうよ…って、あれ1つ近づいてくるよ!」

「早速来たか…」

「大きさ的に中規模って感じでござるな」

「初戦の相手としてはちょうどいいってばよ」

1位(ワンピース)を獲りに行くぞ!」

 男共が叫ぶ。

《クラン島が接合します》

 そのような音声と共に地鳴りに似た衝撃音が響き渡った。それと同時に野郎ども4人が敵クラン島へと一直線に走り出す。

「えっ…」

 置いていかれる智美。

「ひ、1人くらいは残ってよ〜!!」

 そんな智美の虚しい叫びは、目の前にある戦闘にのみ興味を持っていかれている戦闘狂どもの耳には届かない。

「…私たちがいますよ」

「が、頑張りましょうね!クロミ!」

 妖に励まされる智美。

「ルイ…ユキ…

 …もう怒った!あいつら勝手なんだから!こうなったら、完璧に守ってやるんだから!!」

 寂しがって、感動して、怒ってと感情の揺れ幅の大きい智美。ヤケになった今の智美の上には、ムキーッという効果音がお似合いである。


「相手はたったの4人だ!」

「で、でも…あ、あいつら…トップランカーですぜ?!」

「百式のDD!六天のノブナガ!忍刀のメンマ!エヴァンダムの奴らだ!!」

「もう1人は…ひっ」

 視界に黒い影と揺れる眼光が映った瞬間、叫んでいたプレイヤーが赤いエフェクトに変わる。

「黒狼…黒狼のクロ…」

 消えた後ろにいたプレイヤーが掠れた声で呟く。

「き、聞いてない!トップランカーが4人もいるクランなん…」

 背を見せたが最後。赤い粒子になって消える。

(…二つ名変わってるのはいいけど、傭兵の時と似たり寄ったりじゃん)

 そんな呑気なことを考えている恭弥だったが、その周辺では絶望を感じさせる叫び声が響き渡っていた。


_5人目のトップランカー、功績値1位サイド

「どこからでもかかってこいやってんだ!」

 口調が変わっている智美が見上げているのは、端的に言えば要塞。

 【天地創造〈地〉】の使用により、無防備に置かれていたオーブを囲むようにして防塞を創り出したのだ。中も土壁の3重構造とアルの糸による罠で入ってくる敵を迎える作戦である。

「…それにしても、敵さん来ないね…」

「そうですね…」

 たった4人のプレイヤーから、3桁近くのプレイヤーが逃げ惑っていることは、智美が知る由もない。


 クラン戦争1日目終了。

1位:22+1(大)

2位:20+1(大)

3位:19+1(中)

4位:18+1(小)

5位:9+1(大)

6位:9(中)

7位:8(中)

8位:7+1(大)

9位:5+1(中)

10位:5(中)

 現存クランは34。今までの数時間のみのイベントとは異なり、数日にわたるイベント。一番元気な1日目で点数を稼ごうという意見が大多数だったらしい。100を超えるクランは、1日目の時点でほとんどが脱落となった。

「1つ活きのいい小規模クランがいるじゃねぇか…クラン戦だから出ねぇと思ってたが、こりゃあ出てるな…キョウヤ…」

参考文献:新世紀◯ヴァンゲリオン、ワ◯ピース

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