運営からの通知
装備を受け取り、反省を活かしてポーションを買った恭弥は、お世話になった生産職のアインとエルの2人とフレンド登録をして、街を出た。そして、人目のつかないところで、ダンジョンクリア報酬でもらったアサシンスネークを召喚できるらしいアイテムを使おうとしていた。
「召喚!!」
そう唱えた恭弥だったが、全然反応がない。
「いや、唱え方がおかしいだけだ…うん。」
そう自分に言い聞かせて、違う唱え方を試しても全く反応がない。流石におかしいと思い、アイテム【黒蛇のピアス】の詳細を見ることにした。
◇◇◇
【黒蛇のピアス】MP25を使用してアサシンスネークを召喚できる。Lv20から使用可能。
◇◇◇
(………)
内心、察した恭弥だったが自分のステータスを一応確認することにした。
プレイヤー名:クロ
Lv 15
HP 45/45
MP 35/35
【STR 0〈+65〉】
【VIT 0〈+5〉】
【AGI 0〈+100】
【DEX 10〈+35〉】
【INT 15 〈+25〉】
装備
頭【空欄】
体【黒兎のスーツジャケット】
右手【初心者の杖】
左手【黒蛇の短刀】
足【黒兎のスーツパンツ】
靴【黒蛇の革靴】
装飾品【黒蛇のピアス】
【黒のネクタイ】
【黒蛇の革手袋】
スキル ファイヤーボール
器用貧乏
手刀
カウンター
確認して分かったことは、MP25を使うという条件は、ギリギリクリアしているが、Lv 20以上という条件を満たしていなかったらしい。
「いや、分かってたけどさ。いいじゃん!アイテムくらい、自由に使わしてくれよーーー!!!」
別に誰かにというわけでもなく、強いて言うなら運営に向かって、恭弥は叫んだ。叫んだから、どうこうなるわけでもない。
(とりま、レベル上げか〜装備もできて、ステータスも上がったし、今俺って結構強いんじゃね?)
トップランカーの中には、Lv 30を超えている人達もいることを知らない恭弥は、調子に乗った様子でモンスターを探しに向かった。
その後は、エンカウントするモンスターを片っ端から倒しまくっていった。それでも、レベルが高くなってきたからか、レベルが上がりづらくなってきた。結局、その日は2レベ上げるのが精一杯の様子だった。
街に戻ってきた恭弥が、ログアウトしようとすると
◇◆◇
【イベント情報】
VRMMO「アムシュターク」発売から、もうすぐ1ヶ月!
1ヶ月記念に際して、全プレイヤーサバイバル戦を開催決定!詳細については、明日発表!
◇◆◇
「アムシュターク」初の大型イベント開催決定の通知が運営から届いた。
(おもしろそーじゃん…)
「アムシュターク」をプレイし始めてから、初めての対人戦になるであろうそのイベントに、恭弥は傭兵時代のことを思い出しながら、高揚感を抱いていた。




