世界を知ろう
最初の問題を乗り越える一番の方法は接触を最小に抑えること、ならば学生にとって勉強は最適な言い訳だ。だから、時間のある限り書斎と訓練場に注ぎ込んだ。残りの日記もその間に探していたけど、あのビデオでは日記を書くシーンが全く出ていないため、保管場所どこにあるのが全く見当つかない、屋敷のどこかにあるのは確かなはずだ。
(あの内容は決して他人に見せていいものではない)
しかし、今まで何も日記に関して聞かれることがないから。発見されてないということだ、ならば下手に探して周りに疑われる前に現状維持した方が賢明だ。
それにしても高校入試でもここまで必死に情報と知識を脳に叩き込むことないのに、さらに運動を毎日することなんで、やっぱりサバイバルは動力だね。
まあ、そのおかげで短時間で世界観を大まかに掴むことはできた。
この世界には元々巨大な大陸が一つしか存在しなかった、そして時を経て九つの大陸に分別していた。その理由は主に二説ある、一つは各大陸で最も人間の信仰者数が多い 教の聖書によると、愚かな人間達が異能で神に成り代わる計画を実行した、神がその行いに怒りを示し大陸を切り裂いたと。もう一つは陸火山と海底火山両方同時噴火し、陸の分裂もその影響によるもの。別れた大陸でそれぞれ文明を築き上げ幾度の戦争を経て今は6つの国が出来上がった。ウルグスク王国、リーブロ帝国、ハイネ聖国、アグレシオ軍国、クルード君国そしてケビオ猟国。
ジェネルが生まれた国はウルグスク王国、現国王はサビエ・セントロール・オルス・キシリ・ウルグスク。ウルグスク一家の統治は1200年以上続いており,聖国に続く統治が長い国だ。上層階級の構成は二大公爵、五侯爵、十伯爵と決められており、子爵と男爵の数は決められておらず功績と金銭条件が両方満たせば与えられる。下層階級は商人、平民、農民と分けられている。奴隷は王国に存在せず、代わりに犯罪者がその役目を果たしている。反逆や大規模虐殺を犯す人などは即死刑以外罪の重さによって労働時間と労働内容が変わる。
ジェネルのお父様ラルク・エンブレ・リョウ・ソディアムは五侯爵のソディアム家の現当主で妻のミレーヌ・パウロ・ソディアムは伯爵家の出身で典型的な貴族結婚ではあるけれど、仲が貴族間でも珍しくとても良く。そして、二人唯一の愛娘がジェネル・エンブレ・リョウ・ソディアム。勝ち組ましっぐらな生まれ立ちだ、恋愛方面の挫折がなければ、一般的に超幸福な生活を送れるでしょう。
乙女ゲームの舞台となるヴィスフィデス学園は王国と猟国の間に挟まれている。この学園はよく設定に出る貴族学園ではなく異能学園である。入学条件さえどれか二つクリアすれば誰でも学園に入学することができる。入学条件は三つ、一つ入学者は15歳まで異能が第三段階に達している。一つ入学者の異能が学園側で希少だと判断された場合。一つ入学者は25歳以下15歳以上である。まあ、貴族や有権者の子供が入りやすいのは確かである。鍛える時間と資源が十分にあり、入学に関する情報も優先的に手に入りやすい。だから、特別枠は貴族のみに開放される、要するに課金と個人能力の潜在と希少さが判断基準だ。普通枠と一番の違いは入試試験が能力判断のみとなる、それさえ合格すれば問題がない。
(これで何故ヒロインは普通枠なわけね、確かに能力的に文句のつけようがないけど、課金には勝てないわ。変なところに現実味を出すのよねこのゲーム。
わたしも早く実力上げなくては入試までに間に合わないとジェネルに汚名を負わせるわけにはいかない)
しかし、普通枠の上位10名に入れば、学費食費寮費免除というお金に困る生徒にとって非常に素敵な特典が付いている、上位3位はさらに特別枠の生徒と同じ特定の学園施設を使うことが可能になる、ヒロインもその上位3位に入ってたはず。
最後に、ジェネルのエンド定番である深淵は実際どこにでも出現消失を繰り返す現象であり。しかし、猟国下で現象の名と同じく深淵と呼ばれる大陸に一つ固定な入口がある。封印されているとはいえ、完璧に抑えているわけではなく、それゆえ大陸は常に瘴気で充満し、普通な生物では定住不可能な場所となった。その代わり瘴気を食料とする生物が陸を占拠している。深淵の向こう側に何があるのか確証はなく、何故なら入ったものは出ることがないから。だから国境を越え凶悪な犯罪を犯した者の罰が定まらない場合深淵追放となる。
悪友の攻略過程を聞く限りゲームキャラの活動範囲は学園がいる大陸のみ、他の国とかはほぼ名前だけのお飾りでしかない。でも、今後この世界で過ごすわけだから、将来についてもきちんと考える必要がある。