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もっと遡って

紺7番の言う通り、精神と記憶は別の概念だ。だって、フラッシュしてる記憶を見ても、物事を考えることができる。まさか、生きてる内に自分の記憶を一部とはいえ実際に再確認できる体験ができるなんで、得してると言えるでしょう。


(どうせならもっと昔の記憶まで見せて欲しいなあ。そうしたら悪友をもう一度しっかり見れたのに)


もちろん、悪友の顔が既にぼやけてるとかそういう訳ではない。でも、細かい部分まで言葉で表せれるかというと、毎日会っても言えないのに、会えない今では回想だけを頼りにしてるとズレが増えていくばっかだ。

ていうか回想するにつれて勝手に美化していく気がする。確かにかわいい子ではあったけれど、言動の残念さが全てを覆い隠す。けど、最近何かそれもかわいかったと感じるようになった。実に良くない傾向だ。


(あれ、でもよく考えたら。体はジェネルのだから、この記憶回想は肉体に残っているものを読み取っているのか、それとも魂を基準として読み取っているの?もし、肉体であれば悪友に会えないけど、彼女の死の真相が分かるかも。

まあ、この人の異能ではどっちにしてもあそこまでたどり着けれないけどね)


紺7番「はい、みーっけ!」


少し弾みのある声によって一気に思考から抜け出す。紺7番は喋ると同時に右手で私の脳内から何がを引っ張り出す仕草をする。

そして、椅子ごと回れ右され、キラキラした何かが宙に浮かんでいる。


「ほら、あそこに浮かんでいるのが君の記憶の欠片だよ。綺麗だろう、俺も実は久々にこんな輝いてるの見たわ。

じゃあ、早速確認しよう。多分、ぴったしに今回切り取れたはず」


紺7番が手を振ると、欠片はテレビサイズのスクリーンになり、そこには測定のため、転移された自分が写ってた。


"はーい、じゃあ異能を使いながらマシンに当てて測定しよう!" ピロの陽気な声が空間中に響く。


浄化の炎(カサシス・イグニス)を手に灯し、マシンに近づく。そして、次に現れた数値が勝敗を決める。アングルもマシンにズームインされ、測定中の文字が淡く光る。


(そういえば、測定の時確か......)


耳障りな音が鳴り、マシンにはデカデカと『エラー』の表示が現れた。


紺7番 「ハ?」


流石に、予想外すぎる結果に思わず素っ頓狂な声を上げる紺7番。


(最大出力はどれぐらいになるのか気になって全力でいったけど、これもし向こうに読心術みたいな異能を持っている人に読まれたら、温度の数値に絶対怪しまれるから。最小限の温度にして、でも小さ過ぎるとそれもなんか当てずっぽうに正解言われる可能性が出てくるからと、また火力を上げた。そういう感じに調整(遊んて)エラーを出したのよね)


紺7番「一体どういうこと!?エラーとかどうやったら出すんだ」


(さあて、あの異能制限を考えれば、2回目すぐに使えるのかなあ?どう動く?

出来ればもっと焦ってもらって、限界以上に過去に遡ってくれないかなあ)


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