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やられた

「残り二人」


(あの新顔は多分切り札として最後にくるはず。

それよりも、どんな情景にしよう、すぐ始まるから悩んでる暇がないのよね)


さっきから異様に疲れを感じる。でも運動量は普段の訓練に比べても断然少ないはず、緊張も特にしてるわけじゃないから、ここまで疲労蓄積するのはおかしい。やはり、向こうは私に気づかれないように何がを使ってきたとしか考えられない。

当然、そういうこともあろうかと、事前に回復アイテムは用意していた。

しかし、ポイントの都合上、即効性のではなく、じわじわと体力を補う方にした。まあ、無いよりはマシだ。


(本当にいいの思いつかないなあ、無駄な体力も消耗したくないし、もういっそ捕まとっく?)


しかし、このまま何もせず捕まるのは嫌だから、ピロにアーム届くくらいのぬいぐるみを追加してもらい、もそもそとモフモフのぬいぐるみをかき分けながら、大分下までくると、いい感じのスペースを作ってゆったりと座る。


(これは、居心地よすぎですぐに微睡みしそう。気を紛らわす為にこのあとで使えそうなアイテムを制服に仕込むとしよう)


あれこれ買ったアイテムを眺めていると、カウントダウンの合図が響き。

すぐにくぐもった"ポフ"という音が聞こえた。

想像するまでもなく次に転移された挑戦者がぬいぐるみの山に埋もれているわけだ。


あれから体感としては4分ほど経ったところで一筋の光が差し込み、すぐに別の影が覆っていく。


「おめでとうございます!」軽く手を叩く。

紺6番「よくこのような狭いところでじっとしていられますね」

「あら、開放感のある空間も厭みませんか、これぐらい薄暗く息苦しい方が馴染みますけどね。」

紺6番「近日まで監禁生活でも送られてきましたか!?」私の返答で想像斜め上過ぎる連想とつなぐ紺6番。

「いいえ、まったくそんなことはありませんよ。

随分逞しい想像力のお持ちで...

私個人の性格ゆえと考えてもらえればよろしいと思います」


(逆にさっきの話を聞いて、監禁がすぐさまに出てくる君の過去に興味があるね)


紺6番「ここで待っているということは、もう動く気はないということですか?」

「そうですね、追いかけっこには飽きました」

紺6番「それは大変助かります、けれど本音としてはもう少し粘って欲しいところですね」

「逆にあなた方が私の挑戦内容を無視しすぎなのではありません?とても平和な内容を設置していたのに、無力な自分を追いかけ回すなんで、あんまりにも酷いではありませんか」


ちょいオーバー気味に喋っているにも関わらず、まったくツッコム気すらない紺6番は喋り続ける。


紺6番「挑戦内容を忘れる根本的なミスをするわけがありません。但しあの短時間で当てずっぽうな数字を言ったところで結果は分かりきっております。

不確かな20%に運を賭けるよりも80%で導き出される答えの方を求めるだけです」

「合理主義ということですね、けれどやはりそれは私を追いかける理由にはなりませんね、もうここまで来たのですから、教えて頂けませんか?」

紺6番「とりあえず、そこから出てくれませんか?話ずらいので、どこかに移動しましょう」

「やっと話す気になってくれましたか!

それでしたらもう用意しておりますよ。ついてきてください」


座っている近くをあえて落とし口の側にしたから、そこから飛び入って、ピョンと弾き出される。


テーブルと二つの椅子はもう逃げるのやめると決めてからすぐ用意してもらっていたので、まさしく今が使い時である。


「どうですか?これでゆっくりお話しできると思います、ではどうぞ」


二人で向かい合わせに着席すると、紺6番はカウントダウンを確認してから、私の方に向き直す。


「そろそろ残り時間も少ないので、手短に進めます」

「進め...?」


テーブルに置いてある右手に急に別人の右手が現れ、シップみたいなものを貼られる。そうしたら、全身に超強力な電気ショックを襲われた感じて、手足が瞬時に脱力し、口を開くことすら叶わなくなった。


「自分の異能は「両手の悪戯(ハンド·トリック)」。一つの効果として手だけ瞬間移動させることが出来ます。

だから捕まった時点で君の敗北は決定したのも同然、誤った選択を下したことをとくと悔やむがいい」


(これはやられた....!)


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