さあ、遊びましょう~
ちょっと体調悪く、寝てました。
今日ブックマーク登録者数を見ればなんといつの間にか50件超えてました。
もうめちゃくちゃうれしいです!!ありがとうございます。
頑張って脳内イメージを文字に起こします!!
他にも読んでくださる方がいらっしゃいましたら、ブックマーク登録して頂けると幸いです。
思い描く情景をピロに伝えれば、すごく上機嫌に二つ返事でいいと言って、準備を進める際。紺1に顔を向け直す。
「前回のようにまたゆっくりお茶したいのですけど、あなたがお入れしたあのお味は本当に美味でしたよ」
紺2番「お断りします、前回は不覚にもペースに飲み込まれたが、これ以上敵と馴れ合う筋合いはありません!」
「残念です、では始めましょう」
最後の一言を早口でいい終えると、周りが絵本のページを捲るように変わっていく。
紺2番「うわ!?」
あまりにも急変した情景によろめき座り込む紺1。私は事前に予想していたので地面が隆上する度に合わせるように重心を移していた。
そして、出来上がったのは透明のアクリルの箱で、頭上には巨大なアーム。さらに、足の裏踏み場がすぐなくなる勢いでぽんと現れる色とりどりでラブリーなノーマルサイズのモフモフぬいぐるみたち。最後、右側の左端っこに四角い落とし口がある。
この情景を一言で表すと、ゲーセンに行けば必ず置いてある"クレーンゲーム"だ。
(ゲーセンないこの世界でこれを知る人いるはずがない。まさに理想のフィールドだよ、でかした私!)
座り込んだままぬいぐるみに埋もれる紺1が頑張ってようやく頭を出し、髪は少しぼさぼさになってぬいぐるみに囲まれちょっと間抜けな姿に堪えず笑いだす。
「ハハハ、かわいい!!とてもお似合いですよ」
紺2番「ふさげないで、このデタラメな情景は遊んでるの!?」
「ええ、ピロとさっきこの殺風景な場所を解消しようとお話しした際、急にひらめいたのです。もう最高にかわいくかつ楽しい情景ではありませんか。さあ、遊びましょう~」
紺2番「前の時もそう、今回も、いやもっと昔から……あんた達地位の高い人はどこまでも私達を愚弄すれば気が済むの!?」
嫌な思い出を触発したのか、囲むぬるいぐるみを雑に全部払い、立ち上がり拳を強く握りこっちを睨みつける紺1。
「頭上注意してください」
紺2番「な!?」
突然の警告に紺1はとっさに上を見る、その時丁度アームが高速で紺1の頭上に降ろされるところだった、慌てて後ろへ飛び去り、ぬるいぐるみの山にダイブする。
クレーンゲームだから、外で景品を取る方がいないと意味がない。その役は勿論ピロ以外にありえない、ボダン式であればピロは四隅を使い操作はできるので、いつも見る側のピロにも参加できるよう私なりの配慮である。当然、それを聞きもう大はしゃきするピロ。因みに、コイン投入する必要はない代わり、一回遊ぶと30秒くらい待ち時間がある。後、アームの降りるスピードと握力はランダム。正直、取る側からしたら超絶難易度でしかない。まあ、別に今日のは取らせるためのゲームでもないし、そこはご愛嬌ということで。
「他の方は知りませんか、私は単にあなた方に勝たせないようにセッティングしているだけです。個人の趣味の部分と言動が貴方の不快な記憶に触れたことは少々心痛みますか、個人で全体を決めつけるのはよくありませんよ。それに最初不穏なやり方で挑んて来たのはそちら側ではありませんか」
「それは……」自分達がしたことを思い返し歯切れ悪くする紺1。
「まあ折角ですから、ぬるいぐるみ達のモフモフさに癒されてください。あと立ち止まらないほうがいいですよ、また来ますから」
といっても、今回はこっち側に来るアーム、普通のスピードだから余裕で躱し、別のぬいぐるみの上に立つ。
私の動きを見てようやく自分のしなきゃいけないことを思い出した紺1。こちらに目掛けて走り近寄る。私がとった行動というと、逃げながらぬるいぐるみ投げですね。モフモフにしたのも捕まる箇所多く滑りなさそうだから。
(ぬいぐるみなら当たってもケガすることなく、盾とクッションにもなれる。もう本当に最高だよ)
壁側に追い詰めれられると、壁に駆け上がり、丁度上がろうとするアームにバク転して捕まり移動する。紺1もすぐ反応し追い掛け、転がっているぬるいぐるみを投げ私をアームから落とそうとする。
こういう風に中でぬいぐるみ投げ合い対戦が熱烈に行われている頃、外にいるピロはというともうすっかりクレーンゲームにハマっていた。
「右右、左いやもうちょっと前々....ああ、外した!!次こそピロが絶対に捕まえてやるんだから!」




