珍映像と夢実現ショップ
訓練後、部屋で着替え、学園にある唯一のショップに転移する。
ショップ名は夢実現。校舎一貫のロココスタイルでショップというマップ表示があまりにも似つかわしくない外見をしている。扉付近に学生カードをかざすと扉が自動敵に開いていく。
入ると、すぐ左側に大きな浮きパネルでcmが流れていく。高画質に思わず立ち止まり、内容を見てすぐさま吹き出しそうになった。
画面の右下には、
“極上の睡眠をあなたに”
という広告フレーズが流れ。それから出てきたイメージ宣伝大使にやられた。
『もうこれ以上カスタマイズな安眠を味わうことがない!
ピロと同じ材質と生地使用を保証するよ。
つまり、これでピロは毎晩あなたの頭を独り占めだね、えへ』
最後のセリフをしゃべる際、ピロはキリの顔文字を浮かぶも、恥ずかしさを感じたのかすぐさま頬赤らめるのを見て、もう笑いを堪えるのがしんどくって、必死に口を塞ぎ、小刻みに震える。
(草www、これ誰得のcmなんだよ。
頬を赤らめないで、ムリしんどい…
さすが、攻略不可能の攻略可能人外枠。
やばい、腹筋われる、ぷぷ~)
「素晴らしい宣伝に思わず感動したのか、新入生さん」
「.......っ!」
cmに集中しすぎて、いつの間に横から声をかけられ、思わず固まる。ぱっと振り向くと、これはまだ極先生とタイプ別のイケオジが立っていた。びっしりと着こなした燕尾服に白の手袋、髪は綺麗に七三分けを決めており。何でも器用にこなせそうな雰囲気を感じ取る。
「ええ、想像もつかない宣伝方法に驚いています」
「それはうれしい感想だね、実はこれを企画したのは自分でけれど投影できる箇所が限られているので、中々感想を耳に挟む機会が少なく。いつ見直してもピロさんいい働きを特に最後の表情変化は実に素晴らしい」
(え、犯人はあんたなの。いやいや、チョイスとして確かにこれ以上商品にぴったりなのは他にいないでしょうけど、そもそも放送するところ少ないならやる意味なくないか。結局、誰得の宣伝だよ)
「(小声)個人としてこれは人生まれに見る珍映像ですね…
あの、少し話題を変えさせて頂きます。欲しい商品がありますけど、どなたにお聞きしたらよろしいでしょうか?」
「これは失礼。ようこそ、ここは学園が誇るショップ“夢実現”。自分が店主を担当している、リッツと申します。以後お見知りおきを。商品に関する質問でしたら何なりと自分に尋ねて結構」
「こちらこそ、ジェネルと申します。リッツ店主?」
「その呼び名で構いません。さあ、ジェネルさん、一体どんな商品をご所望でしょう?」
「そうですね.....」




