練習所
ヒロインと別れ、予定通り練習所に向かう。
学園の練習所は専用の建物があり、一般的なジム設備から大まかな異能系統ごと対応するもの個室も用意されている。平日は15時間そして土日は24時間オープンしている。利用費用は当然ポイント支払い。
今日はとにかく体力づくりと反射神経の訓練をメインに行おうと思っている。来月の挑戦対策として、結局私を捕まって何をしたいかまでは把握できなかったけれど、しかしこのまま追いかけっこを続けてくれるならそれはそれで単純明快である。だから、なるべく捕まる確率を下げ耐えしのぐしかない。
(よう考えたら、前回最後の最後でわざと捕まって何するつもりなのかを実際にやってもらえたらいいのに。そうすればもっと個別対策できたはず)
正直、あの場で瞬時に思いつけれるかはちょっと怪しかった。紺達は6人中4人が強化系で逃げるのに精一杯だっだ、逆に何で捕まらなかったのも怪しすぎる。
(けれど、来月は必ず全力で襲いに来るはず。捕まった際の対策も考慮するべきだね...
武器禁止だから、鋭利物は使えない。
まさか、こんなところでしっぺ返しを喰らうなんで...
購買に寄らねばならないね、ゲームでは何でも揃ってる万能便利ショップだからね。ここでもそうだと信じたい!)
深く考え込んでいるうちに、首ギリギリに木片が掠る。
「痛ッ」鋭い痛みで一気に感覚が研ぎ澄まされ、訓練はすでに開始していることに気付く。
反射神経を鍛えると同時に体力作りもできると思い、何処からでもランダムに木片が射出される強化系用の部屋を借りた。自然豊かな学園立地で一番なくなることが無いリソースの為、支払うポイントは他の個室に比べとてもリーズナブル。
ここでの難易度は木片の射出軌道が予測不可能の点だけでなく、一回に何枚の木片が射出されるのかもわからない。更に木片のサイズは全てバラバラ。
体力作り自体は確かにジェネルが幼い頃から鍛えているおかげでかなりいい線行っている(戦闘向きじゃない異能を持つ生徒と比べ)、良くないのは私の意識が足引っ張ていることはまだ完全に改善されているわけではない。だからもう一段階上の一回で数方向から狙われるのは流石にやめた。
(ここで傷だらけになったら、嫌でもなんかあったのがバレる。
ヒロイン、いや、アイネちゃんには内緒にしてほしいで頼んだのに、自分からバラすのはマジでありえないから)
実際知り合ってヒロインをそのままヒロイン呼びするのは流石に違和感を感じた。今の私に必要なのはこの世界を突き放すのではなく、少しずつ受け入れることだ。何故ならたぶん、もう戻ることは叶わないから。それにジェネルと交わした約束もあるからね。
その時、後ろから射出音が響き、慌てて頭を下げる。最初に襲われた木片よりも大きさがあって、数も一つ増えている。その内躱すごとにスピードもアップしていく。
(もう思考を余所行きさせるの禁止、集中するんだ)
「ちょっとこれ木板じゃないか、木片の意味をどう理解したらそうなるの!?」
そのまま、ハプニングなく?3時間くらい休憩を挟みながら訓練を続けた。
この話を書き始めから既に3ヶ月以上経ちました。速い、時間が経つの本当に速い!
いつも読んでくださる読者様には本当に感謝しています。
これからもよろしくお願いします。
見てくれるだけで力になっています!
今後もマイペースで続けます~




