呪詛系の内部事情
挑戦された二日後つまり土曜日、定期の廃止処理を行う日が来ました。
初の廃紙処理はイベント発生してから、ゲーム定理から考えると同じシチュエーションでイベント再発生確率が非常に低くなるため、そのままミッションを引き受けていた。けれど、そうなっては他のミッションに手を出せなくなる。
そこで、シャミ先輩に廃紙処理を定期的任務に設定して頂き、他の任務も取れるようにできないかと相談したところ。非常に喜ばれ、アニメ的表現だとお花を周りに散らばっていた。
というのも、まずそもそもこのミッションを引き受ける生徒が非常に少なく、浄化系は全体的に見ても希少異能でほとんどの人は最初から白制服を着ている。言い方良くないけど貴族意識が高く、ミッションの名前で選択範囲から外されている人が多く。たとえ、興味本位で1回申請しても2回目がないのか現状。
特に私の場合は初っ端なからハプニングに巻き込まれているから、もう絶対来ないと思われていたらしい。
「本当にありがとうございます!まさか、あんな出来事があったにもかかわらず、また引き受けて頂き、しかも長期で行いたいと考えてくださるなんて、本当にありがとうございます!もう、一度のみだと思っていましたわ」声色に涙交じりになっていで、またもや何回も頭を下げられる。
「シャミ先輩、そこまで感謝されるようなことはしておりませんから、早く頭をあげてください」
「いいえ、ジェネルさん。あなたがどんなに偉大なことをしているのかを理解していません。そもそも浄化を引き受けてくださる生徒が少ないため、呪詛系の私達がこのミッションを今までずっと強制的に引き受けてたのです。しかし、見てわかるように消す量よりも増える量が上がる一方です。だから、倉庫の数もとんとん拍子で増えていたのです」
「そうだったのですね...」
「問題は新設が相次ぎ学園側もこのままではいけないと判断なさったのでしょう。倉庫の新設の半分の費用は呪詛系の生徒と教員が払わなければならないと通告されました、利用料として。月の分割払いで卒業するまで払わされ続けます。大方は先生が負担なさってくれましたけど、数少ない呪詛系の生徒にとって、かなりの負担となっています。他にも、今ジェネルさんが浄化している倉庫も実はというと限界に達しそうになっているのです。新たに増設すれば、必然的に月払いの金額がさらに高くなります。だから一年生は先生からの圧だけでなく先輩からの圧もすごいのですよ。そのおかげで異能複写に関する失敗率は呪詛系が一番少ないのですけどね」
「そんな事情があったのですね、確かに呪詛の練習はいきなり実践するわけにはいきませんから」
「ええ、ですから、ミッションの件に関しては必ずこちらで解決しますのて、ぜひ卒業までこのまま続けてください。お願いします!」
余程悩まされていたか、シャミ先輩は私を捌け口として事情を一気に話してくれた、最後の方になるといつもの小声が普通の声量にまで上げてお願いされたのだ、こっちとしても戸惑いを隠せない。
(そんな内部事情か、呪詛系悲惨過ぎない。いや、でも卒業まではちょっと...)
「あの、卒業まで続けれるかはまたよく分かりませんか、できるところまで頑張りたいと思います」
「そうですよね、卒業はまた先ですもんね。でも是非長いお付き合いになりたいです、私早速先生にミッションについてお話しますね」
「お手数おかけします」
この会話があった次の日にはミッションがCではなくBに変わっていた。カデゴリーも周回任務に分類され内容自体に大きな変更点はなく、時間の方は週一に変わった。あと、ポイントはBの支給する最低限ポイントにアップしていた。
試しに別のミッションを展開すると申請ボタンの部分も色づき、これで他に気になる任務があっても指咥えて見逃すことが無くなる。
(やっぱり物は試しに言ってみるものだね、ラッキー)




