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ちゃんと友達になりたい

向こうから来ないなら、こちら側で煽っていくしかない。

狙うのは目立ちたがりで嫉妬深くさらに高位貴族に嫌悪感を抱いてるグループだ。

注意するのは、自分が仕掛けたことを気づかせず挑戦人数コントロールした上でさらに何度も挑戦したくなるように希望をちらつかせることが必要だ。

しかも、挑戦回数さえ足せればすぐ切り捨てれるようにしなければいけない。


(うわ、なんかさっきの考え方がすごく悪役寄りにいってなかった。けど、これ無理ゲーじゃない?平和な日々を過ごしてきた一般高校生に高望みをしてはいけない、私に策略をくわたてる能力は備えていないんだ。)


視点を戻すと、シャルルの子分だと認識されているため、私はリストの下から数えた方が早い。つまり、頑張れば何とかなる程度だと紺側に判断されている。


(この認識をさらに紺側で高め、私を倒せばシャルルに近づける可能性が高くなるという感じで噂を広めれば、もしかしたら釣れるんじゃない)


シャルルの傍にいる人の入れ替わりの速さはこの何か月を通してよーくわかった。もう姫というより暴君の方が正しい、気に入らなければ即おさらば。けれど、彼女の言う通りいくらでも人は次から次へと寄ってくる。

理由はシャルル生まれ故郷リーブロ帝国が異能を伝達するためのアイテム作りで欠かせない原材料の一つを市場独占を果たしているためだ。帝国外での栽培は何度も試みなされているか、どれも失敗に終わっている。代用できる材料も未だに目星はないため。帝国を頼るしか道が残されていなかった。もちろん、他国との利害を考慮した上で輸出金額の幅は決められていますか。しかし、莫大な利益であることには違いない。

つまり、シャルルと仲良くなれば、原材料の確保や冗長な販売手続きもカットできるかもしれないなどのメリットに目をくらませた大人は無数。同い年の子供が一番近づく理由として違和感がないため、シャルルの周りに人が絶えることは決してなかった。


「これ絶対後でおいおい報復されそう…」

「ジェネル、何が仰っりましたか?」

「え、特にありませんよ、シャルル」自分でもいつの間にか考えてたことをボソッと口に出していた。

「そういえば、つい先日私達のクラスでも挑戦に負けた人が出てきましたね、情けない」

「学園は異能に関して徹底的に弱肉強食のスタンスをとっていますから、こうなるのは必然ですね」

「群がるハイエナのように数少ない獲物を奪い取る様子は実に醜い、結局得するのは一人か二人でしかない」

「…ハイエナって、本人達が納得した上でさらに目的達成してますからね、どこかそんなに気に入らないのですか?」

「利益のみでつながる関係が一番脆い、これからきっと荒れるわよ。騒々しいの嫌いなの私、今のざわついている空気も苛立つ」

「じゃあ、事前に申告させてもらいますね。私もこれから参戦しますから、我慢してください」

「ほお、さっきの話を聞きながらこの私に“我慢”を…」キリっと目を吊り上げ私を射抜くように見つめるシャルル。

「まあまあ、そう何度も気を立てるのはよくありませんよ。私はちゃんとシャルルさんとお友達として親睦を深めたいのです、ならば“ハイ”しか答えない人は側近でありふれて居るでしょう。けど、友達になればお互いどこかでぶつかる部分が生まれ、誰か先に一歩引く必要が出てきます。私はこの関係でその妥協し続ける役になりたくありません。互いの認識が対等である、それが友達になる必須条件だと私は思います。ですから、戦いに行く友である私をシャルルに騒々しさを少し耐えながら見守ってほしいです」


同じく真摯な瞳でシャルルさんを見つめ続け、しばらくすると、シャルルが両手を組み顔を右横に振る。


「あなたの言いたいことが分かりましたわ…そこまで私と仲良くなりたいのなら仕方がありませんね、さっさと片付けなさい。


けど、あなたに挑戦するおバカさんはいらっしゃるの?」

「う...そこは今から考えます」


シャルルからめっちゃ的確なところを突っ込まれ思わずたじろう。


「そんなところでしょうと思いましたわ。ジェネル、あなた見るから抜けている甘い部分があるのよね」

「それは...否定しません」

「ほら耳を貸しなさい、あなたにいい情報教えてさし上げましょう」

言われた通りシャルルさんに近寄り、耳を傾ける。

「え、これって本当ですか?」

「間違いないわよ、これであなたがどんなに騒動起こしても私には届かない。まさしく一石二鳥だわ」








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