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オリジナル

席に座るロアムは少し頭を横に振り、ヒロインをじっと見つめる。


「誰かさんのおかげで、まただね」

「本当にごめん。

ほら、今日のお代は全部私が支払うから遠慮なく注文して!」ドーンと胸を張り、まるで、このレストランが自分が貸切ったみたいで超誇らしげに話すヒロイン。

「別に、私の分は大丈夫ですよ」

「ううん、お礼するのだからこれくらいはさせて」

「じゃあ、僕はメニューにある食べ物一通り頼むわ」

「ちょっと、そんなポイントないわよ」

「遠慮なく注文しろと言ったのはそっちじゃないか」

「食べれる量までなら奢るという意味よ!」


じゃれあっている二人を見て、思わず口元が緩む


(そうそう、こういう感じ。悪友がいつも一人二役で見せてくれたのとそっくり、実際に見ると微笑ましいね)


「ジェネル、何笑っているの?」

「二人の会話があまりにもかわいらしいので、思わず笑みが浮かぶのですよ」

「どこか!?、もう本当に毎回毎回つかかってくるから対応が大変だよ」

「それはこっちのセリフだね、いつも尻拭いさせられてる身になってほしいね」

「ほら、こういうところだよ…」


その後雑談が続き、次の教室に向かわなきゃいけない時間になったため、最後に連絡番号交換してお別れした。


(これでヒロインの時間割ゲット、探す手間が大分省けれる。けど、もっとロアムと同じ授業受けていると思ってたけど、結構違いがあるよね。

でもよく考えたらこれが逆に合理的かもしれない、常に傍にいればほかの攻略対象と知り合うキッカケがかなり減るからね。)


もう一つ、ヒロインはオリジナルだとさっきの雑談で80%確信している。過去に読んだ小説で悪役とヒロイン両方異世界の記憶を持つ場合もあったから、アイネが転生者の可能性も否定できない。また、今日初めておしゃべりしたくらいで完璧にオリジナルの根拠がない、要観察だ。


不謹慎かもしれないけど、本当は悪友がヒロインに転生してもよかったかもしれないと一瞬本気で考えた。

けれど、それは私のエゴでしかない。例え、悪友が私よりも乙女ゲームに何億倍知り尽くしていても、異能あるこの世界で死傷率が高すぎる。そんな危険な目に親友に合わせたくない、実際初ミッションの時のようにヒロインではなく悪友が意識不明な状況になっていれば。私は絶対冷静を失い、両方の命が危ないことになっていたに決まっている。そう考えれば、やはりヒロインはオリジナルであることを願う。親友にとっての最愛(乙女ゲーム)なんでいつも次が来るから!


私が本当の意味で知っている人がいない、それだけで警戒心を無くすことがない。




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