カフェでお話
二人共次の授業始まるのは15時からだから、混んでいる食堂よりもちょっとメイン校舎から離れたカフェで軽食を取ることにした。
外見も中身もSNS映えのおしゃれなカフェで、今月の新作は春のフルーツワッフルスペシャルになっている。おいしいそう、あと携帯がないのか惜しい。元の世界と繋げれる連絡ツールがあるなら、悪友に親切心から毎日写真送りつけてやるのに。
「どれにします?私今月の新作が気になりますね」
「自分もです、フルーツ大好きなので絶対おいしいと思います!」
悩むことなくメニューがスムーズに決まり注文する。待ってる間自己紹介を始める。
「さっき自己紹介できなかったのですけど、改めて私アイネ・ミル…あ!違いました、アイネです、よろしくお願いします」と思わず自分の名字を言いかけて、それにハッと気づき慌てて言い直すヒロイン。
「こちらこそ、私はジェネルです、名字言いたくなるのわかります、自分もよくそうなります」
「そうなのですか、私自分だけそうなのかなあと思っていました。それより、改めてお礼をさせてください!あの時、ジェネルさんがいなかったら、私明日の朝日を拝めれるか…本当に、ありがとうございました」
「そんな、大げさな。あの状況になれば普通は手を差し伸べますよ」
「いえいえ、ジェネルさんが先にあの怪物を攻撃して動きが止まっていなければ、私も隙を狙って脱出することができなかったです」
「そんなことあったのですか?詳しく教えていただけます?」
「もちろんです。実はあれか私一番最初に入った部屋で、1分後に風が吹くと説明を受けましたが、でもまさかの風力に戸惑ってしまい、身動きが全く取れなかったのです。だから、一旦部屋を離れ出直すつもりでした」
(私の時と同じ行動をしてる!そうだよね、あの風は初見殺しだもんね)
「だが、異変が起きたのも丁度その時だったのです。ボダンを押し風が止まり、廃紙が散らばって落ちるのでなく、一か所に向かっていました。そして先に両腕が膨れ上がり、壁を破壊し、けど何故か一瞬動きが止まりました。そこを見計らって異能を投げつけ扉を開けた瞬間、再度膨れ上がった怪物に吹き飛ばされました。頭部が固い何かに当たり気絶しました」
「けがの方はもうよろしいのですか?あの時どんなに動かしても起きる気配がなかったので、とても心配しました」
「もう治癒の異能ですっかり治りました」前髪をかき上げて額を見せてくれた。
「それはよかったです。
ほら、注文した料理が来ましたね、先に食べましょう」
色とりどりのフルーツが豪華に乗せたワッフルに二人で目をキラキラさせながら、味わって食べました。
「おいしかったです、特にフルーツの甘味とワフッルの相性がばっちり!」
「うんうん、また今度食べたいですね」
「そういえば、気になってのですけど、アイネさんはどうやって私を見付けたのですか?」
「ああ~最初医務室で目が覚めた時、ミッションで私の案内担当してくれてる先輩もいらしゃって。私があの場にいる同じミッションを受けていた生徒が助けてくれたと聞きました。でも、誰なのかその先輩もわからなかったので、自分でちょくちょく別クラスの子達を見回って探しました。けど、何の宛もないので困ってたところに一人親切な先輩がジェネルさんのことじゃないかと教えてくれました」
「親切な先輩?ねえ、その先輩ってもしかして茶髪で紺の制服を着て、すごくお茶目な感じの人ですか?」
「そうです、やはり知り合いですか?」
「ええ、知り合いといえば知り合いです…」
(まさか私がヒロインとフォーム先輩を引き合わす原因になるとは…やられた)
「アイネ、ここにいたのか。探したよ!」




