呪詛混合人形
「ヒロインンンン!!大丈夫!?」
すぐさま傍に駆け寄り状態を確認する、額が少し切れている以外目立った傷はなく。意識は不明すぐ回復する様子はない。
ヒロインという人種はトラブル吸引体質を持っているのは周知の事実ではあるけど、初っ端なからこんな凶悪なイベントが用意されているのは予想外すぎる。
(これ誰かの助けを待っていたら遅すぎる、自力で脱出するしがない。)
ヒロインをおんぶして、門に向かって突っ走る。横目で敵の姿を確認する、さっき少ししか接触できなかったけど、呪詛混合によって引き起こされたのに間違いない。
ごん!という大きな物音と共に地面がまた揺れ始める。
「うわ!」走っているから思わず足をひねりそうになり、何とか態勢を保つ。
敵の全貌もついに見えてきた、一言で表すと大型紙人形だ。身長は二階の柵辺りぐらいあって、顔の部分は文字が走り廻り、紙と紙のつなぎ目は黒紫色に鈍く光る。腰の部分に知らない符号が出来ている。だが、右手と両足はスカスカで本当に紙一枚で繋げている、それでも直立しているのは不思議でしかない。
(右手は私がさっき破壊した部分で、両足はヒロインがやったのかなあ、ナイス!これで攻撃する前に敵の移動力が失われているに等しい、まさに絶大なハンデだ。)
そのまま、逃げ切れると思たっら気がまた早い、呪詛は必ずしも術者と対象者が近距離にいる必要がない。紙人形の顔の文字が体を通り地面に踊りながら高速で追いかけてくる。目みたいな器官が全く備えてないにもかかわらず、一直線で私達がいる方向に向かってくる。
(やばい、行き場を無くした!)
足止めになった本当の理由はまさかの扉に問題があった。辿り着いた後、教わった通り学生証をスキャナーにかざすと赤く光り拒否されたのだ。
「レベル3緊急状態、内部からの扉開閉拒否」
という、心底ツッコミたい音声回答に無力感が一気に襲ってくる。
もう今の自分にできることは、無駄な体力の消耗控え、臨時の浄炎結界を作ることだ。それがいつまで耐えれるかがネックとなる。
その時、近くまで来た呪詛文字が一斉に高く跳ね上がり波のように覆いかぶさって来た。
静寂が続いた...
「呪怨の反鏡!」
そろそろ、両手使えない私が主人公を蹴り起そうとした頃、救いの声が現れた。一気に文字が潮引くように紙人形に戻っていき、ダメージ追加。遂に姿勢が崩れ大きな物音立てながら崩れる。
結界を解き、シャミ先輩が走って近づく。向こうにさらに2,3人別の生徒の姿が見える。
「ジェネルさん、遅くなってごめんなさい、大丈夫ですか?」と心配そうに問いかけてくる。緊急時でも音声は変わらず小さ目である。
「私は特に、けれどこちらの生徒が意識不明の状態になっています」
「それは大変、すぐに扉を閉めますので早く外に連れて行ってあげてください。あとは、私達に任せてください。久しぶりに、いい混合具合の玩具に出会えました。ふふふ」
「わ、わかりました、お願いします」
ヒロインを抱っこして、小さく開かれた扉の隙間をくくりぬける。
(最後、なんか物騒な発言を聞いたけど…気のせいにしよう)
とにかく、ゲーム風で言うとこれでイベント一つクリアだね!




