先生しっかり!!
一日中思い返してはやはりタイトルと内容が合わないので、変更させていただきました。
ちょっと紛らわしくてごめんなさい。
あの日、残りの時間聖子と聖女をできるだけさり気なく観察していたけど。はっきり言ってつまらない。いや、もう姿勢よくノートを取る以外二人でもしくは側近に私語する素振りもなく、授業終えればすぐさま教室から離れていった。
(話しかけづらいなあ、まず近づくのも面倒くさそう。まあ、でもこの二人の間は干渉しなくても学園内では他の子達のように結末悪くないからね。多分…)
それよりも待ちに待った実践授業がやっと始まる、バラバラな異能を持つ私達を極先生がどう鍛えるのか。実践は必修科目の中で珍しくクラス単位で受ける授業、極先生はクラス1から5を担当し、週一から週五で一クラスを半日かけて教えることになっている。
チャイムが鳴り、入ってくる先生の姿にみんな唖然としていた。私にとっても忘れはしないあの初対面で廃れ感満載な恰好。
(ちょっと待って、ビッシとカッコよく決めるのはまさか初日だけなの?いやいや、先生ここ曲がりなりにも乙女ゲーム関連の世界だから。もう少し頑張ろう、せめて最初の一週間だけでもいいから!!
他の先生はこの恰好を見てなんとも思わないのか、それとも手につけれないから放置なのか?)
思わず盛大に心の中でツッコミを入れ、疲れを感じた。
「全員いるよな、この授業出席取らないから俺の教える内容が遅いと感じれば来なくていい。但し、期末でへましたら誰だろうと不合格にするからなあ」
もう口調からしてすごぶる機嫌が悪いの察することが出来る。前のクラス達は何がをやらかしたのか。
「ねえ、聞いた。なんかクラス4とクラス5の生徒が先生身だしなみに文句を言ったらしいのよ」
「聞いた聞いた、でもそれは仕方がないと思う」
「重要なのはそこじゃないの!その後、先生が自分達を教えるにはふさわしくないと授業参加を拒否すると訴えたらしいのよ」
「本当に!?それでそれで」
「なんかもうクラス4と5の平常点はゼロになったらしいのよ」
「それはちょっとひどくない」
「ううん、でも先生が“俺の授業受ける気がないなら平常点はいらないなあ。成績の15%ないところで何も思わないのだろう。期末試験にさえ通過すれば、合格はできる。”と言ってつっぱねたそうよ」
「ええ、絶対超難題出されるじゃん」
丁度左斜め後ろに座っていた女子生徒が先生に関する噂を話し合っていた。小声で言ってるつもりなのかわからないけど、まる聞こえなのよね。まあ、真偽は置いとき、私達に飛び火が移らないことを祈る。
「ねえ、ジェネル。本当にこの先生の助手になりたいですの?少し考え直したほうがいいですわよ」シャルルが眉間を少しひそめ、小声で聞いてくる。
「う、揺らいでないと言えば嘘になります。けれど、極先生実家にいる遠方の伯父にすごく似ているのですよ。仕事が常に山積みで徹夜が日課な日々、それを繰り返して行けば自ずとやつれていき、身だしなみも無頓着になります。まさに、今の先生にそっくりなんです。きっと、自分の仕事に熱心な方だと思います」
「あら、そんな悲惨な日々を送っていらっしゃる方が傍にいますの。つまり、懐かしさを感じたのですね」
(すみません、それ自分の父です。もういつ過労死で急になくなってもおかしくない状況だからね。給料が超いいので離れようとも離れずにいる、もう完璧に会社の思惑通り)
「そうですね、でもそれだけじゃありません。この人は強いと私の直感が訴えていますね。それを信じたいと思います」
「それか正しいと願いますね」
「ありがとうございます」
まさかシャルルから心配されるとは、私早まったか...




