初授業
最初に受ける授業は必修のヴィスフィデス語、2週間に1回の授業で先生はめがねをかけた優しそうなおじいちゃんでした。軽く挨拶した後、早速授業内容に突入した。
「生徒の皆さん、この授業は主にヴィスフィデス語の成り立ちと歴史そして使い方について教えていこうと思う。この学園を目指す者としてヴィスフィデス語の習得は暗黙の了解となっている、では何故この言語の取得が必要になった理由を誰が自分の意見をみんなにシェアする気はないか?」生徒全体を見渡し質問を投げかける。
学生A:「各国使う言語が違う為、共通語を作ることでコミュニケーションをスムーズにするためです」
学生B:「ほかの国の言語を使用すれば、学園の独立と中立性が失われてしまうからと考えられます」
学生C:「しかも、それによって紛争を引き起こす原因となる可能性もあります」
次々と生徒たちは自分の考えを述べていた。やっぱり、積極性の違いは歴然。
「ありがとう皆、様々な角度でどれもいい意見ばかりだった。大体わかるように、この問題に決まった回答はない。発表していない生徒の心の中にも答えを持っているはず、それを忘れずにこれからこの言語の由来や歴史を聞いて最初の答えに追加できるところはないかをしっかりと考えてもらいたい。
通説として、学園は今の国々が立ち上がる前に設立されていた。しかし、戦争などの混乱により、多くの資料が破損もしくは焼却された。残留した資料をまとめ解析したところ、使われていた言語を参考にして作られ改善を重ね定着してるのか今みんなが知っているヴィスフィデス語」
黒板にでかでかとヴィスフィデス語を書き、講義を続ける。
「さっきも生徒の発言にあったように、学園は各国から優秀な生徒を募っている。それぞれ普段の生活では母国語を喋っている。このまま何も手を打たず学園で勉強すれば、絶対起こる意思疎通の問題だげでなく、授業する際どうすれば全員に理解できるような講義を行うのが一問題だ。ならば郷に入っては郷に従え、学園の歴史によって生まれたヴィスフィデス語こそ最適な言語である。それから、学園に入学希望する生徒には無料でヴィスフィデス語を教える教室を各国各地に設置し、普及にも繋がった。
しかし、言語というのは実に面白く。たとえ、同じ言語を喋っているとしても、人によって違いは一目瞭然。ましてや、第二言語となれば第一言語の影響を多く受けてしまう。気付いてない内に国と地域それぞれ特有の言い回しが含まれていく。他にも、個人の性格も単語を選ぶ際差がはっきりと生まれる。これから時間ある時よく周りの生徒たちを観察してごらん、ちょっと他国の言語特徴を知ればすぐ簡単に誰がどこの国出身なのかわかる。あと…」
こんな感じで90分の授業はあっという間に過ぎ、最後に先生が授業締めくくる言葉は
「最後に、みんなにはこの学園にいる際、多くの言語を学んで欲しい。今後きっと役に立つ日が来る、そうでなくでも言語自体魅力に満ち溢れている。前提として、ヴィスフィデス語をきちんと学園に適するように調節することだな。では、みんなまた再来週」




